宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

新設の国家資格といってもいい「日本語教師」文科大臣「登録」の法案2023年にも提出へ、日本語学校是正勧告も、四日市工業地帯選出の中川正春・岡田克也両議員がリード

2022年12月15日 22時53分16秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]中川正春、岡田克也両衆議院議員、宮崎信行撮影。

 新しい国家資格に近い文部科学大臣認定の「登録日本語教師」の制度・認定試験機関を新設し、日本語学校を「認定日本語教育機関」と定める法律案を、文部科学省が近く提出する見通しとなりました。

 四日市工業地帯を地盤とする、野党・立憲民主党の中川正春、岡田克也両衆議院議員が議員連盟を長年リードしてきた政策分野で3年前に「日本語教育の推進に関する法律」(令和元年法律第48号)の超党派での制定がなされました。

 中川、岡田両議員は、ブラジル移民日系人3世・4世らの四日市工業地帯の工場への出稼ぎで同伴した子女が学校教育を受けずに滞在していることが多く、仮に入国資格が不法でも日本語教育が必要だと長年主張しています。

[写真]工場が多い四日市工業地帯、ことし5月、宮崎信行撮影。

 この「推進法」のプログラムに基づく、文部科学省の「日本語教育の質の維持向上の仕組みに関する有識者会議」はおととい2022年12月13日に「報告書の素案」をまとめました。

 日本語学校には不法就労の窓口など怪しい経営者もいることから、国が前面に出て、申請による「文部科学大臣認定日本語教育機関」の制度をつくって、定期報告を受けたり、是正勧告を出したりできるようにします。

 国家資格は「許可」ですのでそうとまでは言えませんが、筆記試験に受かって日本語教師養成機関の教育実習を受けた人を、「登録日本語教師」として文部科学大臣が登録証を交付する制度も提案されました。

 技能実習生らは地方自治体の「地域学習教室」で学んでいることが多いことから、現状を踏まえつつ、登録教師、認定機関の充実で底上げをはかる動機づけとなりそうです。

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「気候変動適応法改正案」通常国会提出へ、環境省の「熱中症警戒アラート」首都圏実験から全国法定化へ 地球温暖化の善後策

2022年12月15日 22時21分23秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]日比谷公園から見た夏の日の環境省、宮崎信行撮影。

 パリ協定の「適応」の概念を国内法に落とし込んだ「気候変動適応法」の制定から5年経った来月からの通常国会で、改正法案が提出される見通しとなりました。

 地球温暖化対策推進法の下位規範の気候変動適応法は、我が国法体系で唯一「気候変動」のタームを法文化。環境省、気象庁など省庁横断で、「善後策」を法定化しています。

 「熱中症警戒アラート」をおととしから社会実験してきましたが、全国で恒久的に法制化することになり、「気候変動適応法改正案」(211閣法 号=未提出)として国会に提出することが確実になりました。

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「給特法廃止法案」を初めて検討へ、2023年秋以降法案提出も、公立学校「質の高い教師確保の有識者会議」来週立ち上げ、部活動など残業手当全額払いも視野に

2022年12月15日 21時34分53秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]文部科学省、4年前の2018年、宮崎信行撮影。

 昭和46年の「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」いわゆる「給特法」の廃止法案につながる議論が来週始まります。

 仮に「給特法の廃止法案」が提出されるとしたら、来年2023年秋から2024年度予算審議にかけてとなりそうです。

 文部科学省はきょう、来週令和4年2022年12月20日に「質の高い教師の確保のための教職の魅力向上に向けた環境の在り方等に関する調査研究会
」の第1回会合を開くと発表しました。

 給特法はその第3条の第1項と第2項に次のように定めています。

 第三条 教育職員(校長、副校長及び教頭を除く。以下この条において同じ。)には、その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。

2 教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。

 このように、部活動顧問や採点などで残業しても、本則給与の4%しかもらえないことになっています。公立教師の残業への歯止めの無さや、新規採用の人材難につながっているとの指摘があります。

 ベビーブーマーの小学校入学時の大量採用された新卒教師(ベビーブーマー世代の年齢に16歳上乗せして計算可能)が大量に定年退職を迎えており、県教委の給与・退職手当負担はピークを越えました。民間人部活指導員への自治体歳出への国の補助金も拡大。政府全体として歳出拡大機運が高まっていることから、長年の課題は公立学校現役教師の待遇改善に有利な方向性で進むとみられます。

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外国人技能実習生制度抜本的かつ網羅的見直しの入管難民法など改正案は早くても来年秋以降、「技能実習制度の在り方に関する有識者会議」きのう設置

2022年12月15日 21時18分18秒 | 既に提出された【法案】
[写真]法務省前の、曲がった白線、おととし2020年8月6日、宮崎信行撮影。

 日本人の陰湿さをアジア各国に発信することで「尊敬大国・日本」の地位を揺るがし、労働者1人当たりの賃上げを下押しした「技能実習生」について、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」がきのう令和4年2022年12月14日に設置し、見直しを加速しました。

 来年秋に閣僚会議に対する答申のスケジュール感となっていますが、喫緊の政策課題とされていますので、最短で令和5年2023年の秋の臨時国会に法改正案が提出されることもありそうです。

 示された課題は、制度目的、実習生のキャリアパス・転籍、受け入れ数、送り出し・受け入れ監理団体・登録支援機関のあり方。

 つまり制度の根幹的かつ網羅的な問題を議論するわけで、制度そのものの存否にもつながりかねない現状と言えそうです。

 とはいえ、有識者会議よりも、自民党政権・経団連の理念そのものが問われています。

 事務局が作成したペーパーには「引き続き様々な御意見を伺いつつ議論を深め、長年の課題を歴史的決着に導きたい」と苦悩をにじませつつ強い意思を感じさせる文言も盛り込まれました。



[写真]法務省前の、曲がった白線、おととし2020年8月6日、宮崎信行撮影。


[写真]入管難民法改正・出入国在留管理庁設置法の強行採決に抵抗した藤野保史前衆議院議員、3年前の2019年2月の長野県内の予算委公聴会で、宮崎信行撮影。

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【農地法抜本改正案まで広がるか】農水省「農地法制の在り方に関する研究会」を設置、「ゾーニング」「宅地転用規制」「営農型太陽光発電」など腰を落ち着けた議論へ

2022年12月15日 20時45分54秒 | 既に提出された【法案】
[写真]特定生産緑地に立つ「生産緑地」の看板、都内で、2022年4月16日、宮崎信行撮影。

 自民党は「食料・農業・農村基本法」「食料安全保障」にボルテージをあげるなか、農林水産省内は落ち着いて議論ができそうです。

 農水省は、今週令和4年2022年12月12日に「農地法制の在り方に関する研究会」をつくりました。

 農地法制に関しては東京23区などの生産緑地のサンセット(期限)規定で「2022年問題」がありましたが、法改正と区役所の「特定生産緑地」でほぼ延長。内閣府で養父市の企業農地取得特区が最後の案件となっていますが、紛糾は下火になりました。

 「在り方研究会」は、フランスなどで発展している栽培種目ごとの田畑を集約した「都市計画」である「ゾーニング」の有識者も参加。太陽光発電と農地の問題などの課題も盛り込みつつ、農地の宅地転用規制なども話し合われる見通し。農地法・農振法・経営基盤強化法などの見直し・法改正にも踏み込むでしょう。一方、農業委員会法や国家戦略特区法などへの言及は少なくなりそうな気配です。自民党岸田政権が決定する「経済安全保障・食料安全保障」や与党・省内・野党が審議する「基本法」の議論を横目に見つつも、収益性・担い手不足解消に一定の成果を見ている農政にとって、久しぶりに腰を落ち着けて農地法制を議論する機会になるように思われます。

 スケジュール感は示されていません。

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