宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【第20回統一地方選前半戦】大野知意(大野トモイ)横浜市議が一歳児子育てママの両立で2期目に意欲「妊娠期から切れ目のない支援の拡充」、スガ首相も交代する「恐怖の横浜政界」でハラスメント根絶の声届くか

2022年12月27日 23時02分17秒 | 大縄跳びの内側から
[写真]横浜市議の大野知意(大野トモイ)さん=立憲民主党会派=、神奈川県・大倉山駅前で、きょう2022年12月27日、宮崎信行撮影。

 立憲民主党会派に所属する大野知意(大野トモイ)横浜市議は、きょう2022年12月27日(火)区夜、東急・大倉山駅前(港北区)で演説し、「放課後のこども居場所づくりなど引き続きこの仕事を担わせていただきたい」と語り、2期目に意欲を示しました。

 港北区は8人区。

 大野さんは、横浜市会86議席の一角をしめ、健康づくり・スポーツ推進特別副委員長や市会運営委員を歴任。

 4年前の公約「横浜にカジノはいらない」は達成しましたので、きょうの演説では「ハラスメントがない政治」「妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援の拡充」を訴えました。

 恐怖の横浜政界。大臣が辞任して市長選に出たのに敗北。「山下公園・山下ふ頭」へのカジノ誘致は、西区みなとみらいの菅義偉首相(当時)とは利益相反のはずなのに中央で「スガで選挙はダメ」との誤った認識で総辞職。自民党・立憲民主党・日本国民全員が損する歴史となりました。

 大野さんは、1996年民主党結党以来の古参党員。2017年立憲民主党結党では、党本部マンパワーの関係から非議員党員が認められない中、神奈川県連枠で特別入党。第19回統一地方選前半戦では立憲公認で、1万1069票と最下位当選者より2300票多い得票で当選。この際、横浜18区中得票率が上がったのは2区しかなく「港北区で大野効果」があったとの分析もあり、偶然港北区に住む元民主党県連代表も「あんなに強いとは思いませんでした。草の根の応援者に支えられたからこその結果でしょう」と語りました。その2週間後の後半戦で女性公認全員当選の流れにつながったとも分析できそうです。

 第20回統一地方選前半戦は2023年4月9日(日)投開票。政令指定都市議会選挙は9日間となっていますから、3月31日(金)告示・出発式となります。この「3月31日告示」という日程も市民との遠さを象徴しているように感じます。大野さんを通じて、市政に思いを届けようとする人がどれだけいるか。

 同時に立憲民主党の姿勢も問われます。
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秋葉賢也復興大臣と杉田水脈総務政務官、理由なき更迭、渡辺博道氏ら「総理の本会議報告先例」どうなるか

2022年12月27日 15時33分36秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]秋葉賢也さんら、ことし7月、仙台市で、宮崎信行撮影。

 秋葉賢也復興大臣と杉田水脈総務政務官がさきほど2022年12月27日(火)、首相や総務大臣に辞表をした。事実上の更迭。後任には、渡辺博道元復興大臣らが充てられました。

 ことしから、「大臣が辞めた場合は、総理が本会議で理由と新大臣の固有名詞をあげて報告する先例」ができつつありますが、1か月後の通常国会初日はいきなり施政方針演説から入りますから、先例が続くか注目されます。

 岸田文雄さんは非常に人の心が無い人事で、1年ほど前には、茂木敏充外務大臣が閣外にさりましたが、これは自民党幹事長転向のため。例えば、政調会長に「自民党サミット応援本部長」でも新設して、秋葉さんを転出させる演出はできなかったのでしょうか。

 また、杉田さんは政務官が務まらないとなると、今後県連の下働きの仕事もないでしょうから、政治生命が風前の灯となるかもしれません。

 過去のSNSでの発言をほじくりかえす「キャンセル・カルチャー」はアメリア大統領予備選挙でも問題視する動きもあります。アメリカ政治では、「イラク戦争宣戦布告に賛成票を投じた」という過去が、民主党・共和党の上下両院議員につきつけられたため、2004年初当選のオバマ民主党1期生上院議員が大統領になったこともあります。

このエントリーの本文記事は以上です。
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新進党解党からきょうで四半世紀、新事実発覚、集団的自衛権は小沢グループ「合憲」岡田克也「違憲」で北側一雄氏「解釈改憲」

2022年12月27日 08時12分43秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス
[写真]岡田克也衆議院議員、8年前の2014年、埼玉・所沢で宮崎信行撮影。

 新進党解党からきょうで四半世紀となりました。

 奈良市民が前夜に発砲音を聞きながら誰も通報せず、翌日の安倍晋三首相暗殺につながりましたが、25年前の今ごろの日本国民も奈良市民のような傍観者でした。

 新進党に関する新しい事実がこのほど発覚しました。

 新進党で坂口力外相、岡田克也、東祥三両ネクスト副大臣のうち、小沢一郎グループの東さんが集団的自衛権は合憲だと主張し、当時すでに保守系若手を代表する存在だった岡田さんが違憲だと主張し、「党憲法調査会」が紛糾。このときの議論を見ていた北側一雄さんが「刑法36条急迫不正の侵害事実があれば合憲だという閣議決定での解釈改憲」の手法をその18年後に採用していたことが分かりました。

 阪神大震災後の新進党参院選対象に危機感を持った野中広務・亀井静香両自民党衆議院議員による「地下鉄サリン事件をおこしたオウム真理教と同じ宗教法人である創価学会がリードする新進党」という大げさなネガティブキャンペーンに世論は大山鳴動。1970年だからおよそ20年間テレビ新聞で「創価学会」の固有名詞は報道されていませんでした。

 が、新進党のセンセイ方は多少高をくくっていたのでしょう。政策論争に没頭。1996年の通常国会では「住専に税金を使うな」で政府予算修正。さらに日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインを前に野党の考えを発表するために憲法論争になりました。

 外務部会で、東さんは小沢党首の代弁者として「日本国憲法と国連憲章はよく似ている。国連決議に基づく多国籍軍の活動での武力行使に違憲判決が無い以上、集団的自衛権は合憲だ」という趣旨の主張を展開しました。

 岡田さんは「なぜ憲法が武力行使に慎重なのかという本質論を踏まえるべきだ。それは先の戦争に対する深刻な反省だ。9条の解釈で集団的自衛権まで認めるのは解釈論の限界を超え、9条の完全な空洞化を招く。有事の際の米軍への後方支援は、国連決議があればかなりの範囲で行えるのではないか」との論旨を展開。

 その後、憲法調査会で山口那津男さんは「集団的自衛権の行使については必ずしも多数意見になっていない」などと反論。

 創価学会出身で小沢グループの東さん、現公明党代表の山口さんも割れていたことになります。

 ところで、ここで重大な歴史の皮肉があります。「鳩船新党」改め「鳩菅新党」と呼ばれた1996年民主党は「護憲の野党第1・2党が必要だ」が最大の結党の精神ですが、小沢党首は「合憲だ」と言っており、憲法改正は主張していません。自公民でPKO協力法を「普通の国」論で仕上げた剛腕が、憲法改正を主張するわけがなく、法的に24年間続き3年間総理もやった1996年民主党は、誤解から結党された政党ということになります。なんとも政治の不条理を感じます。

 創価学会の固有名詞は、2000年ごろから読売新聞社長の渡辺恒雄記者と創価学会の交渉で新聞で使えるようになりました。ですから25年ほど新聞からは消えていたことになります。

 そうすると、統一教会も25年ほどの「不在」があったわけですが、「自民党イコール統一教会だ」というネガティブキャンペーンに国民が大山鳴動する気配はありません。私は日本人が進歩したとは思いませんが、香港、台湾に次ぐ大学進学率を誇る日本ですから、隠されていた情報が明るみになる「ディスカバー」への恐怖心は薄らいできたのかもしれません。

 新進党解党25年。民主党下野10年。心の慰めは、希望の党騒ぎは5年以上前なので、民主下野の10年の中では古い方の5年に入ります。政権交代ある政治の復権はまだ10年以上はかかりそうですが、政策論争とそれをしのぐピーアール能力があれば、立憲民主党衆議院単独過半数政権の樹立は十分に可能だと思います。

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