【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【れいわ新選組】デモ隊初めて渋谷スクランブル通過で「(明日からの)インボイスやめろ」「消費税廃止」大成功のもよう衆院選比例で勢い増す

2023年09月30日 18時22分10秒 | 第50回衆院選(2025年11月より前)
[写真]渋谷スクランブル交差点で、デモ隊の外の人を煽る、山本太郎れいわ新選組代表、きょう2023年9月30日、同党公式YouTubeチャンネルから宮崎信行がスクリーンショット。

 山本太郎代表が率いて、2019年から政党となった「れいわ新選組」は、「消費税インボイス導入」を翌日にひかえたきょう、令和5年2023年9月30日、「デモ・アンド・おしゃべり会イン東京都」を開催し、成功したもようです。かなりの大成功をおさめたように、みえました。

 デモ隊は、警視庁が先導して、渋谷駅前の「スクランブル交差点」の駅から見て向かい側も通過する異例のルートが認められました。関係者によると、同党の渋谷スクランブル交差点でのデモ隊通過は初めて。

 山本代表と大石あき子衆議院議員は、デモ隊の先導のトラックと、最後尾のトラックに分担して乗りました。付き従う警視庁警察官からの「トラックの荷台で立ち続けないでください」という趣旨の保護に従いつつ、「消費税廃止」「お金を回せ」とシュプレヒコールを上げました。山本代表が「インボイスやめろ」とコールした際には、デモ隊からとくに大きな拍手があがったようにみえました。

 山本代表は「消費税廃止」のほかに「税金(税率)下げろ」とも語りました。

 同党は、既に広島県でのデモを終えており、今週は、維新の拠点の大阪府、地方議員がいる沖縄県などでも開催。二大政党制のメッカ大分県、明治維新の勝ち組・鹿児島県での開催日程も決まっており、連日のようにデモを繰り広げています。

 渋谷デモの参加者とみられるX(旧ツイッター)では「沿道の人達が皆のりのりで手を振ったりいい感じ」、「あのタイプが嫌いな層の眉を顰めさせていたが、参加者には若者も多く、支持者数を着実に伸ばしているように見えた。岸田の不人気も影響しているか」といった感想がありました。

 同党は、日本円建て日本政府の国債は、日本銀行券で消費される限りは無制限に発行できるとする「MMT」(現代貨幣理論)を10政党で初めて提唱し志浸透させたことで、経済政策の説得力が増しています。円安による物価高と自民党支持者優遇の補助金の批判が出てきたことから、MMTの両輪である積極財政ではなく、消費税廃止に政策の軸足をずらすことになりそうです。

 10政党の中では、同じ日に政党になった「政治家女子48党」が元代表の立花孝志元参議院議員の11兆円ともされる債務問題で統一地方選以降大失速。きょねん政党になった「参政党」も公認候補予定者を11人発表しつつ、11人の辞退・取り消しを同時に発表する「11増11減」となるなど難航しています。

 一方、立憲民主党も自治労・日教組OBの支持者が多いこともあり、消費税の廃止に踏み込めない構造となっています。岸田文雄首相は「増税メガネ」とのあだ名がついて、あすインボイス導入を迎えます。国税庁職員も含めた消費税務申告での大混乱はひっし。

 情勢調査では、第50回衆院選で、れいわ新選組は、比例ブロック(全部で11)のうちいくつかで1議席をとり、全体で、今の議席か、あるいはそれ以上の当選者を出すのではないかとみられています。参院選ではさらに拡大する可能性があります。

 山本さんが、両院や都知事選を行き来して、浮動票を獲得したり、寄付金を集めたりする構造から、MMT理論の受け入れで、一歩踏み出したかっこうで、比例票の上積みが確実な情勢となってきました。

 以上です。