【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

野党、あす(9/27)国会対策委員長、「暇過ぎる」批判で内外に反発・アピールか

2023年09月26日 22時38分02秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]宮崎信行個人はアメリカに45泊ほどしていますが、直近では2008年、グアムに行ったのが最後で、日銀の円安政策には実は賛成です。

 野党国会対策委員長が、あす令和5年2023年9月27日(水)午前に、会談(野国)を開くことが分かりました。

 先の国会は6月21日に閉会していますので、あすで夏休みは98日目になります。これは与党が一方的にたてた政治日程ですが、野党にとっても「長い夏休み」批判が来そうなので、野党が政府・与党に対して長い夏休みを批判しつつ、野党現職議員が納税者に「夏休みでも仕事をしている」とアピールする2つのねらいがあるかもしれません。

 きょう、首相(自民党総裁)は定例閣議で「新しい経済対策を来月末までにまとめる」ことを指示。このままでは夏休みは150日を超えかねず、超党派で国民から「金返せ」コールが出て、投票率が下がるかもしれません。

 補正予算案の越年予想まで出ており、紙の保険証維持の法改正、人事院勧告をめぐる給与法改正を求めたり、衆参予算委員会で首相外遊などの内外の諸課題を審議するよう統一して申し入れたりするのかもしれません。

 安住淳立憲・委員長がフリーランス記者の取材を制約していることもあり、ちょっと、私の前夜の予想は外れることがことしは多く、違うかもしれません。

 自民党は、高木毅委員長は続投し、委員長代理には、西村明宏さん(前環境大臣・元内閣官房副長官)が新しくつきました。

 以上です。

コストカット経済を払しょくへ、その心意気やよし、新しい経済対策は、宮沢税調で社会保険料・税制切り込みか

2023年09月26日 20時05分40秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]首相はおととし2021年10月・大阪府内、宮沢氏は4年前の2019年2月都内で、ともに宮崎信行撮影。

 首相はきょうの定例閣議で、鈴木財務・金融相、新藤経財相、武見厚労相ら全閣僚に、新しい経済対策を来月2023年10月末までにまとめるよう指示しました。

 謎の日程で、10月末にパッケージをとりまとめて、補正予算案編成を指示した場合、閣議決定は早くても11月中旬。それから印刷・検算をすると、国会提出は12月上旬になります。来年の通常国会に提出するのかもしれません。

 首相はゆうべのぶら下がりで「長年続いてきたコストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換を図る。人への投資、賃金、さらには未来への投資である設備投資や研究開発投資まで、コストカットの対象として削ってきたことで、消費と投資の停滞を招いた、この状況を「冷温経済」と呼んだ専門家もおられましたが、我々はようやくこの「冷温経済」を脱し、活発な設備投資、あるいは賃上げ、そして人への投資による経済の好循環を実現し、経済の熱量を感じられる「適温経済」の新たなステージに移れるチャンスを、今、迎えています」と語りました。

 消費者物価指数が3%増になっても、日銀は物価高を認めず、賃上げが定着するまで金融緩和を続けるとします。首相の発言はその心意気やよしと、筆者としても大いに期待したいところです。

 首相は、真水の政府支出ではなく、減税を中心に柱建てしました。

 時期からして、宮沢洋一・自民党税調会長を中心とした議論に主導権を握らせるねらいと思われます。厚労省の社会保障審議会は現在、遺族年金の男女逆格差の理論的解消を議論し、来年の通常国会に改正法案を出しますが、これとは別に、社会保険料106万円の壁などと呼ばれる厚生年金加入要件について、財務省主導で税金を投入することで、社会保険料と所得税の負担割合を、財務省主導で乗り越えさせようという配慮を私は感じます。

 経済対策のねらいは、税制改正にあり、麻生太郎・鈴木俊一・宮沢洋一・岸田文雄の閨閥で進めようとしているのかもしれません。

 岸田さんはおととしも6月の骨太の方針がありながら、10月に新しい資本主義実現会議をつくりました。日程からして、宮沢税調主導にしたいのは間違いないでしょう。宮沢さんは中学・高校の同級生をNHK会長にしました。また、軽井沢に持つ2件目の別荘の資産報告を参議院に忘れましたが、これは素で忘れたようです。岸田・宮沢ファミリーの原宿の不動産は減少傾向ですから、意外と経営は得意でないのかもしれません。

 令和5年第1次補正予算案の提出がいつになるかさっぱり霧の中の異例の政治日程となりました。解散注意報は発令しっぱなしですが、第212回臨時国会の召集が年内にないかもしれません。

 コストカットを求めた日本人の陰湿さにへきえきしている私ですが、東京で生まれ・教育を受けてずっと住んでいますから、友人には恵まれています。友人の妻に叱られるシチュエーションもありますが、8年8カ月前、「どうして一人暮らししないの」と疑問形で言われて苦労したことがあります。最大の理由は、租税特別措置法第69条の4の法定相続人が同居していた場合は小規模宅地特例で評価額が5分の1になるから。明治通り沿いに路線価が高いところに本社兼自宅、河川敷に別宅を持っていたことから、自宅に住み続けたことで、相続税が大幅に安くなりました。こんなことを、友人との会話で話しても通じるわけがなく、疑問形での会話に忌避感を持っています。

 私は税制と選挙制度はシンプルでないと民主主義ではないと主張しても、インタビューが載るようなインフルエンサーが「さっぱりわからない」と感想を述べます。頭の良い人は複雑であることが食い扶持で、シンプルになると失業することへの深層心理からそういうことを言っているのでしょうが、政権交代が現実でないきょう、宮沢税調会長主導で、所得税と社会保険料の議論を、財務省主導に引き寄せ、多少なりともシンプル化していくことに期待したいと思います。

以上です。