「野党第1党 保守2大政党に抗した30年」を尾中香尚里さんが、2023年9月16日付で出版。書評を書きます。
結論は、立憲民主党の現職議員・秘書は全員一冊買うべし。
現代書館、2000円(税抜き)。
「野党記者クラブ」は半世紀以上「衆議院第5控室」に置かれていますが、毎日新聞記者だった尾中さんは日本経済新聞記者の宮崎信行のおおむね9年ないし4年ほど先輩にあたり、1998年頃は現場が重なりました。
独立後もお互いの懐事情を知り合う仲です。
●237ページだが「ですます調」で分かりやすい記述
尾中さんの今回の本は、政治部記者出身者ではひょっとすると初めてかもしれない「です、ます調」で書かれています。237ページの大長編なのに読みやすい。元政治部記者だから知るエピソードは極限までそぎ落として書いて、読者層を広げようとしていると思います。
今夏、NHK政治部の男性ベテラン、女性中堅の元記者が小沢一郎さんと安倍晋三さんの本を出していますが、こちらはNHK放送原稿と違って「である調」を使っています。
●平成は「政権交代ある政治」が実現したがこそ保守にこだわった
尾中さんは、平成の政治について、政権交代ある政治が実現したと評価。しかし、この過程で保守二大政党化したとしました。いずれも全否定する態度はとっていません。私が気付いたファクトの間違いは皆無です。
1996年10月の最初の小選挙区第41回衆院選を、尾中さんは当時は野党第2党の民主党(鳩山由紀夫・菅直人両代表)、宮崎は必ず野党第1党の新進党(小沢一郎党首・岡田克也副幹事長)から見ます。しかし、2003年の民主党(菅直人代表・岡田幹事長)と自由党(小沢一郎党首)からの20年は一貫して、立憲民主党側から見ています。
いうまでもなく、第五控室経験者では、尾中さんと私の2人だけです。だから尾中さんが第一人者なのは当然です。
●黄金の3年間だから乗れた「タイムマシン」
国政は去年から黄金の3年間という歴史としての停滞期に入りました。このため、尾中さんは「過去、現在、未来を自由に行き来するタイムマシンに乗ったドラえもんとのび太」になることに成功できたのだと思います。この本は今後も、国政選挙が終わるごとに、改訂版が出続ける定番になってほしいと思います。
●リベラルは新しい社会像を示せという現実的な未来
尾中さんはこの本の中で「しかし、私は現状を悲観していません」「昭和の政治の次の、平成の政治は政権交代ある政治を容易にした」としています。主に、立憲民主党支持者である読者に向けて書いているように、私には感じられました。
●「枝野幸男の真価」も定番
2018年3月30日付発行の「枝野幸男の真価」(毎日新聞取材班)毎日新聞出版、定価1000円(税抜き)も尾中さんの書籍だと理解しています。このテーマでは他の追随をまったく許さない独壇場の抜きんでた歴史資料です。
以上です。
結論は、立憲民主党の現職議員・秘書は全員一冊買うべし。
現代書館、2000円(税抜き)。
「野党記者クラブ」は半世紀以上「衆議院第5控室」に置かれていますが、毎日新聞記者だった尾中さんは日本経済新聞記者の宮崎信行のおおむね9年ないし4年ほど先輩にあたり、1998年頃は現場が重なりました。
独立後もお互いの懐事情を知り合う仲です。
●237ページだが「ですます調」で分かりやすい記述
尾中さんの今回の本は、政治部記者出身者ではひょっとすると初めてかもしれない「です、ます調」で書かれています。237ページの大長編なのに読みやすい。元政治部記者だから知るエピソードは極限までそぎ落として書いて、読者層を広げようとしていると思います。
今夏、NHK政治部の男性ベテラン、女性中堅の元記者が小沢一郎さんと安倍晋三さんの本を出していますが、こちらはNHK放送原稿と違って「である調」を使っています。
●平成は「政権交代ある政治」が実現したがこそ保守にこだわった
尾中さんは、平成の政治について、政権交代ある政治が実現したと評価。しかし、この過程で保守二大政党化したとしました。いずれも全否定する態度はとっていません。私が気付いたファクトの間違いは皆無です。
1996年10月の最初の小選挙区第41回衆院選を、尾中さんは当時は野党第2党の民主党(鳩山由紀夫・菅直人両代表)、宮崎は必ず野党第1党の新進党(小沢一郎党首・岡田克也副幹事長)から見ます。しかし、2003年の民主党(菅直人代表・岡田幹事長)と自由党(小沢一郎党首)からの20年は一貫して、立憲民主党側から見ています。
いうまでもなく、第五控室経験者では、尾中さんと私の2人だけです。だから尾中さんが第一人者なのは当然です。
●黄金の3年間だから乗れた「タイムマシン」
国政は去年から黄金の3年間という歴史としての停滞期に入りました。このため、尾中さんは「過去、現在、未来を自由に行き来するタイムマシンに乗ったドラえもんとのび太」になることに成功できたのだと思います。この本は今後も、国政選挙が終わるごとに、改訂版が出続ける定番になってほしいと思います。
●リベラルは新しい社会像を示せという現実的な未来
尾中さんはこの本の中で「しかし、私は現状を悲観していません」「昭和の政治の次の、平成の政治は政権交代ある政治を容易にした」としています。主に、立憲民主党支持者である読者に向けて書いているように、私には感じられました。
●「枝野幸男の真価」も定番
2018年3月30日付発行の「枝野幸男の真価」(毎日新聞取材班)毎日新聞出版、定価1000円(税抜き)も尾中さんの書籍だと理解しています。このテーマでは他の追随をまったく許さない独壇場の抜きんでた歴史資料です。
以上です。