空知ドライブからの帰り道。私は気持ちを抑えることが出来ず、石狩市八幡町の「清水ジンギスカン」に立ち寄った。
噂は、本当だった。ここは食堂を閉鎖し、小売り販売専門へと営業を縮小していた。
ビール(発泡酒)と共にジンギスカンを愉しみたいタイプの私は、お持ち帰りでここを利用するのが主だった。
ゆえに、私個人にとっては、この営業スタイルで大きな実害はないとは言える。
だがしかし、小売りも止めてしまうようなことになったら、それは由々しき状況である。実際、3年前には、このお店は一時小売り販売から撤退していたのだ。
私は状況確認のため、1kg+追加ダレ=1650円分を購入するとともに、松嶋奈々子風の売り子のお姉さんに、「どうして、食堂止めちゃったんですか?」と訊いてみた。
すると、彼女からの返答は、私の想定とは異なる内容だった。
「食堂の方を開けていると、忙しすぎて手が回らなくなってしまうので、止む無く閉めることにしたんです・・・」と。
今後は、小売り販売に徹するということなのだろう。個人的には安心したが、ちょっと淋しい思いもある。
あの、’70年代のまま時が止まっていたかのような空間で、煙にまみれながらこの極上のジンギスカンを味わうことがもう出来ないのかと思うと、やはりもの悲しい。私がもう一人いたとしたら、無報酬で、ココのホール係として働きたいくらいだ。
そして我々一家は、昨年8月以来、久々に清水ジンギスカンを愉しんだ。
用意した野菜は、モヤシ・玉ねぎ・椎茸・ピーマン・・・
加えてキャベツ・しめじ。そして、先日三笠で購入した「行者にんにく」がスペシャルゲストである。
ああ、久々の清水のお肉・・・こうして見ていると、生でかぶりつきたくなるような衝動にかられる。
ジュージューとジン鍋で焼くジンギスカン。その煙と匂いは、我が家のダイニングを幸せで満たす。
ショウガ等の香辛料とリンゴのまろやかさがタッグを組んだ、絶妙の付けダレ!
このお味を、我々はあと何年味わうことが出来るのだろう。
石狩の文化遺産として残すに値する味覚・・・それが、清水ジンギスカンなのだ。私は、ここは声を大にして主張する。