11月26日月曜日。私はBSフジで22時から放送される今季のF1最終戦(録画放送)を愉しもうと、インターネットの情報を遮断していた。だがしかし、その日の夕刊にはデカデカとこのような記事が!
まあ、結果を知ってしまってから観るレースというのもなんとも切ないモノだが、一応、観ることに。ううっ。
まずはオープニングラップ。予選4位スタートのフェテルがいきなりスピンし最後尾に!
どうも、ブルーノ・セナとの接触があったらしい。アイルトンの甥っ子の彼。ヘルメットのカラーリング、変えたんですネ。
30周目。小林可夢偉が、なんとフェテルをパス!
さらに、32周目。なんとなんとアロンソをもパス!この時点で4位である。
・・・結果を知らずに観ていたら、盛り上がったんだろうなぁ・・・
シューマッハとライコネンの超接近戦。タイヤが絡み合いそうになりながらも、接触しない。さすがに元ワールドチャンプ同士のバトルは高次元だ。
53周目。最後尾から8位まで順位を上げたフェテルは、タイヤをドライのミディアムに変更。
55周目。トップ走行中のハミルトンに、ヒュルケンベルグが仕掛け、接触!
ハミルトンのマクラーレンでのラストレースは、リタイヤとなってしまった。
速いが接触リタイヤの多いハミルトンのキャラクターは、ナイジェル・マンセルとかぶる。
今年1番速かったのは、マクラーレンのマシンだったと思うのだが。残念。
そしてその周。2周前に換えたドライタイヤでは走れないコンディションと分かり、フェテルは再びピットイン。インターミディエイトを装着。この辺のドタバタが、レッドブルチームの弱点であろう。
57周目。アロンソは落ち着いてインターミディエイトに交換。
大健闘だったヒュルケンベルグは、ハミルトンとの接触の責を問われ、ドライブスルーペナルティを受けた。あれは、レーシングアクシデントだったと、個人的には思うのだが・・・もったいない。
62周目。マッサがアロンソを先行させる。フェラーリお得意のチームプレイ。
64周目。若きドイツ人フェテルが、引退するレコードホルダーの同国人シューマッハをパス。6位の座をもぎとる。
そして、そのシューマッハに背後から近づくのは、我らが可夢偉!
・・・だがしかし。接触があり、可夢偉はシューマッハの前に出ることは出来ず、順位を落としてしまった。
70周目。ディレスタがクラッシュし、セーフティーカー導入。
結果、そのままのポジションキープで、レースは終了となった。ファイナルラップの熱いバトルを観れなかったのは、やや残念か。
優勝はバトン。可夢偉もなんとか9位入賞を果たした。
荒れたレースに強く、気が付いたらトップに立っているバトン。往年のネルソン・ピケを彷彿とさせる。
最後尾から追い上げて、6位入賞。フェテルは、セナ・シューマッハレベルの、天性の速さを持つドライバーだと思う。
273p+8p=281pで、3年連続のワールドチャンプを獲得。彼は、どこまで記録を伸ばすのだろう。
マイケル・シューマッハの最多勝記録は、永遠に破られることは無いだろうと、私は思っていた。
だが、セバスチャン・フェテルは、全ての記録を塗り変える可能性を持っていると思う。マシンの力だけではない。彼の天性の速さだ。
なんてったって、彼は「トロ・ロッソのマシンで勝った男」なのだから。
260p+18p=278p。健闘しながらも、わずか3点差で、タイトルを手にできなかったアロンソ。そのしぶとさとしたたかさは、往年のプロストを思わせる。
レッドブル、マクラーレンよりも劣るマシンで、今年のチャンピオンシップを盛り上げた彼。
今年は、アロンソの凄さをまざまざと見せつけられたシーズンだった。名は獲れなかったが、実は獲った。来年も愉しませてほしいものだ。