『ぐるりのこと』
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梨木香歩、2007、『ぐるりのこと』、新潮社 (新潮文庫)
表題の「ぐるりのこと」というのは、「周りのこと」といったほどの意味だが、著者が著作する際の「ぐるり」との関わりについて、記すのが本書。芸術作品はその時代やその風土とは無縁ではおれないことをくり返し記す。911やイスラムとの関係、あるいは、国内での少年による殺人など、そうしたエポックな出来事と創作活動は無縁ではおれず、何らかの(いや、密接な連関を持つのだ)とくりかえす。時代そのものを書かねばならないとか、時代に受容されねばならないということではなく、むしろ、普遍的な出来事としての「事件」とは無縁ではあり得ないという宣言と読める。
本作品は、『沼地のある森をぬけて』の著作の過程で書かれていたのだという。そういう視点で、もう一度『沼地・・・』を読むといいのかもしれない。
表題の「ぐるりのこと」というのは、「周りのこと」といったほどの意味だが、著者が著作する際の「ぐるり」との関わりについて、記すのが本書。芸術作品はその時代やその風土とは無縁ではおれないことをくり返し記す。911やイスラムとの関係、あるいは、国内での少年による殺人など、そうしたエポックな出来事と創作活動は無縁ではおれず、何らかの(いや、密接な連関を持つのだ)とくりかえす。時代そのものを書かねばならないとか、時代に受容されねばならないということではなく、むしろ、普遍的な出来事としての「事件」とは無縁ではあり得ないという宣言と読める。
本作品は、『沼地のある森をぬけて』の著作の過程で書かれていたのだという。そういう視点で、もう一度『沼地・・・』を読むといいのかもしれない。
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