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『あの戦争は何だったのか:大人のための歴史教科書』

保阪正康、2005、『あの戦争は何だったのか:大人のための歴史教科書』、新潮新書

太平洋戦争後60年のこの年、この種の出版があふれている。靖国問題もそうしたもののひとつであったか。
本書は、戦後左翼系史観である侵略・反省史観もそれに抗する歴史修正主義の動きもとらないという。もっと、事実を見据えよと言う。
たとえば、太平洋戦争を引き起こしたのは陸軍である(戦争裁判でさばかれたのは大半が陸軍関係者)との説を採らず海軍がそのきっかけとなった(通説では、山本や米内らの平和追求勢力の印象が強いのだが、事実はそうではなく、彼らは、海軍にあっても少数派であり、多数派はむしろ戦争推進派)であったという。
さらに、昭和15年以降の各年度ごとの大本営の指針を洗い直すことによって、あがらう事なく無策に、そして、体制順応派が戦争を推進していった流れを描いている。その経緯は、そして、指揮官の無責任振りに憤慨を覚える。
本書で書かれていることは、これまでにも書かれていることが多く、さほど新味があったとも思えず、作者がうたうほど、画期的な今後への新たな提示をしているとは思うのだが、文中、思わずして背ズジが寒い思いがした。それは、現代日本も本質的には官僚組織においても会社組織においてもまた一般社会においても戦争推進さなかの戦中に起こったこととは大差がないことを指摘している点である。たとえば、昭和天皇の重要な会議における発言もその一つである。彼は、明確な指針を示さず、そのことを、側近あるいは東條が推し量り戦争を推進する(あるいは、平和への収束へと向かう)のである。
さらに、たとえば、戦争を推進した軍政・軍制ともに予算権人事権がどこにあったのか、これは、社会が動いていった決定的な導引であるかと思えるのだが、これが本書でも明らかにされていない。おそらく、明確でないのだ。日本社会における各所の組織原理、天皇制度そのものも含めて、一切責任の所在が明らかではないのだ。つまりは、根本が変わっていない日本社会のありようが今後の政治体制の中でどのような方向性を持つのか、読み進むうちに、暗澹たる気分に陥ってしまった自分に気がつく。
衆議院選挙が現在行われているが、はたして、どのような「民意」が示されるのか。はなはだ危機感を覚えるところである。

あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書

新潮社

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2005-09-07 23:34:33 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


豚バラ肉の煮込み

豚バラ肉の煮込み(豚バラ肉を一時間茹でる。卵を一緒に茹でる。茹で上がったところで好みのサイズに切り分けて、卵の殻を剥き、鍋に入れ、紹興酒、濃口醤油、中国醤油、ニンニクと生姜をつぶしたもの、鷹の爪、八角。白ネギの青い部分を入れ、さらに一時間弱煮込む。白髪ネギ、生バジルの細切り、和辛子とともに食べる)
金針菜と冬瓜のスープ(金針菜と乾燥ホタテ貝柱を水につけてもどしておく。もどし汁とともに冬瓜を細かく切ったものとともに30分ほど煮込む。塩とナンプラーで網代整える。ネギ小口切りを散らして食す)
豆苗の芥子和え

2005-09-07 21:47:04 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )