東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古い東芝製トランジスタラジオ7TP-440の修理(4/6)

2011年05月30日 | 古ラジオ修理工房

このトランジスタラジオ7TP-440の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
  修理(1/6)  修理(2/6)  修理(3/6)  修理(4/6)
  修理(5/6)  修理(6/6)

 前回までの調査で、このトランジスタラジオは短波をわずかに受信できます。しかし、中波はまったく受信できません。このため、混合局部発信周辺が故障していることはほぼ間違いありません。少なくとも中間周波以降の故障ではなさそうです。今回はこの混合局部発信周辺のどこが故障しているかその部位を狭めることにしました。そのためにシグナルインジェクターを使って高周波関連のいろいろな箇所に信号を注入してみました。

              左はシグナルインジェクター、右は修理中のラジオ基板


 シグナルインジェクターで信号を注入する前に、このラジオの回路がおよそ分かっておく必要があります。まず、最初に高周波部の各回路を調査しました。受信周波数を同調するなどの働きのあるバリコンを中心にラジオ基板を丁寧に調査しました。

         中心部の四角の金属シールドで覆われたバリコンを中心に調査


 調査した箇所は大きく分けて三箇所です。電波を最初に受信するバーアンテナとその周辺,受信周波数より455KH高い高周波を発信する局部発信の周辺,そして電波を混合して中間周波数を生成する混合検波の周辺です。

       バーアンテナの周辺              短波と中波の局部発信周辺
 

 調査するときに回路図があると便利です。しかし、このトランジスタラジオの回路図を持っていません。そこで、このトランジスタラジオに使われているものと全く同じトランジスタ(2SA60)を使い,同じ自励式であり,かつ同じ電圧(6V)を使用している他ラジオの回路図を参考にしました。

  参考にした自励式混合局部発信回路           中間周波増幅回路
 

 特に細かく調べたのは、自励式混合局部発信に使われているトランジスタ2SA60の周辺です。電流帰還バイアスとして使用されている抵抗値や局部発信波を混合しているエミッタ周辺の部品を調査しました。この周辺のどこかが故障している可能性が高いと思ったからです。

          自励式混合局部発信に使われているトランジスタ2SA60の周辺    

コメント
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