このトランジスタラジオ7TP-440の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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修理(5/6) 修理(6/6)
このトランジスタラジオの断線など外見的な不良を修理して電気が流れるようにしました。そして、高周波関連の不良だと推定しました。高周波関連箇所はバリコン近くにありますが、バリコンに取り付けられたプーリーが邪魔になってより細かな調査ができません。このプーリーがあると、テスターなどの検査端子を回路部分に当てることができません。
高周波関連部を覆う、プーリーやダイヤル指針部
高周波関連部分を調査できるように、バリコン直結のプーリーやそれを動かす糸を取り外すことにしました。しかし、小さなトランジスタラジオの糸を張り直すことはとても困難です。いきなりはずすと、元に戻すことができません。容易に戻せるように、糸の張り方をメモ用紙に書き写しました。
取り外すプーリーとダイヤル指針 糸の張り順や回し数も記録
真空管ラジオは糸の張り方が単純ですが、トランジスタラジオは張る方向が複雑です。さらに、目に見えない箇所で曲がっていたり、個別のプーリーで思わぬ回し方をしています。一つ一つの糸の張り順などを丹念にメモ用紙に書き写しました。
メモ用紙に書き写したダイヤル糸の取り回しや張り順
メモ用紙に書き写すと、バリコン直結のプーリーを糸と共に外しました。なお、ダイヤル指針やそれを支える金属板は外さなくても高周波部分は調査できそうでした。このため、プーリー自体は取り外すことにしましたが、糸はラジオから取り外さないことにしました。そして、糸をラジオに絡ませたまま、ラジオの修理を続行することにしました。なお、修理が終わるその日のうちにプーリーは再び元のよう取り付けます。
私の流儀なのですが、修理を続行中でもその日のうちに必ずラジオを元の形に戻しています。ラジオを分解したまま広げて放置することはしません。修理に使った机も、何事もなかったように綺麗に片付けます。
取り外したバリコン直結のプーリーと糸類
修理をしていると、回路基板を裏返しにしたり横にしたりと何度も動かします。すると、基板から出ている各種の電線が断線することがあります。このような事態に備えて、各種電線の配線図をやはりメモ用紙に残しておくことは大切です。記憶に頼るのは良くありません。
基板や端子類などを繋ぐ各種電線、とても断然しやすい
例えば、Earphone/Phono端子,電源端子,又はアンテナ端子などは、回路基板とほとんどの場合電線で繋がれています。これらの電線は、ラジオの修理中に突然断線することがあります。このため、どことどこがどう繋がっているのか常に紙などに記録しておくようにしています。
これまた私の流儀なのですが、どんな事態になっても元に戻せることも修理技術の基本の一つだと思っています。例えば最近、壊してしまったスイッチ自体を分解・修理してなんとか元に戻したことがありました。昔のラジオは部品を手に入れることができません。なんとかして代替えできないかなどの推理力が必要ですし、加えて忍耐力も必要です。また、なかなか直らないとイライラしますが、そのイライラを防ぐ気分転換力も必要かと。
Earphone/Phono端子などの配線 メモした端子と電線の配線図