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のんびり読んだノンびり

2014年10月03日 | 雑記帳
 愛読誌『のんびり』が10号を数えた。公式ウェブサイトはこちらである。この雑誌の持つ精神はきっと、人口減少率が全国一だとか、学力調査がトップ級だとか、そういう見える事物にはない。また、単なるぼんやりしたという意味ののんびりでもない。いわば順位づけ無用、それ自体を生かしきる所にあると思う。


 今回の特集は、秋田市民市場だった。この流れも実に面白い。市場を体験し、気づき、思いつき、探し求め、語り、さらに動いて、そして巻き込むといった要素がくっきりしている。これはいわば「大人の総合的な学習の時間」のような感覚だ。結局、ある思いを手掛かりに取材し、記事にしていく過程そのものだ。


 この雑誌は、言語センスのよさが際立つ。藤本編集長の力だろうか。「のんびり」を「ノンびり」と意味付けたことによく表れているが、今回も次の二つは秀逸だ。特集趣旨にある「『光を観る』と書くのがまさに『観光』。」もう一つは、小特集「民謡」のタイトル、「民なの謡」と書いて「みんなのうた」とふったルビだ。


 裏表紙に一枚の写真。「discover AKITA」「佐野史郎×唐松神社」と記されている。唐松神社は方々にあるようだが、鈴がまさに鈴なりの見事な構図である。解説には西馬音内盆踊りを見に訪れたと書いてある。なあんだ、それなら声をかけてくれればよかったのに…と、関わりもないのにのんびりしたことを書いた。