すぷりんぐぶろぐ

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物語の予告編でもみたような

2014年10月13日 | 雑記帳
 連休初日の夜,翌日に行われる国民文化祭「盆踊りフェスティバル」の前夜祭として「町流し」が行われた。「阿波踊り」「郡上踊り」「おわら風の盆」の出演である。どれも確かに魅力的ではあるが,やはり「みせる踊り」としての西馬音内盆踊りが抜きんでていると感じた。「見せる」はまさに「魅せる」なのだと思う。


 「阿波踊り」は一言でいえば明快な踊りだ。おそらくは全国各地で演じているメンバーなのだろう。装いや目鼻立ちのくっきりさが,姿そのものを際立たせている。本場で様々な「連」が共演する様子をぜひいつか観てみたいと思った。「踊る阿呆に見る阿呆,同じ阿呆なら…」という文句のエネルギーが身体に宿る。


 「郡上踊り」は「かわさき」という踊りでスタートし,どこか平凡に思えたが,踊りの列が遠ざかったあたりで始まった「春駒」に心が躍った。身動きできないほどの観客の多さで遠くからしか見えなかったのが残念。変化のある構成が魅力的に聞こえる。その踊りを三十数年前,東京の明星学園で目にしたことがあった。


 楽しみに待っていた「おわら風の盆」。男衆の凛々しさは,まさに格好がいいとしか言いようがない。そして哀調を帯びた唄声。これが夜の町内各所に響くとしたら,確かにたまらん風景だ。短時間に何か物語の予告編でもみたような「町流し」。商品化という側面を持ちながらも,そこには確かに深い文化が流れている。