すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

かなり面白いかもしれない

2015年01月16日 | 読書
 三学期の読み聞かせは何にしようかと考えていて、ネット上で評判の『りんごかもしれない』 『ぼくのニセモノをつくるには』のヨシタケシンスケの絵本を注文した。ずいぶん売れているようで、奥付を見ると『りんご』は13年4月発刊で33刷、『ぼくの』は去年9月発刊でもう5刷である。確かにこりゃあ面白い。


 ぜひ紹介したいと思ったが、この体裁は読み聞かせはとても難しいなあ。パソコン取り込みで拡大提示がいいだろうなあ、と思いつつ、ちょっと時間がかかりそうだ。ひとまず来週月曜には無理のようだ。ある程度まとまった準備ができそうな時にすることにして…。初めて読むヨシタケ作品の感想をメモしておこう。


 『りんご』と『ぼくの』には、明確な共通点がある。つまり、拡散的思考を促す、多面的、複眼的と言い換えてもいいだろう。その繰り返しと突っ込みが醍醐味である。思考がだんだんと深くなってくる流れを作っていて、それでいてほんわかした緩いパターンも取り入れている。最後のオチも見事に考えられている。


 この二冊の対象物は、対比的か。「りんご」と「ぼく」。植物と動物なんていう比較もできるが、そこは本質ではない。自分以外の物質と自分そのもの。二つとも、内部と外部の双方向へ意識を働かせるが、「りんご」は外部が多いし、「ぼく」は内部が中心である。色調が赤と緑であることはすぐわかる。子は黄色い服だ。


 子どもによって、どの場面が好きかいろいろ分かれるだろうなあ。ユーモラスな絵だし、様々な箇所に手が挙がるだろう。実は深い言葉もたくさんあって、一つずつ引用しておこう。

 ◇ここに くるまで いろんな ばしょで いろんな ものを みてきたのかもしれない。(りんご)

 ◇木の おおきさとかは どうでもよくて じぶんの木を 気にいっているかどうかが いちばん だいじらしい。(ぼくは)

 絵本を紹介してから、付録?のシートに、それぞれの想像を描かせても、面白いかもしれない。