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教養書を使ってみてもいい

2015年01月07日 | 読書
 【2015読了】4冊目 ★★
 『言葉と作法  親と教師のための教養書』(野口芳宏 登龍館

 『音読・道徳教科書 日本の美しい 言葉と作法 ~幼児から大人まで~』は野口先生が発刊なされた時に買い求めて読んでいる。背筋の伸びる思いでそれに向き合ったが、結果として副読本的な扱いで全校的に取り組めなかったところに、正直、自分の弱さがあるように感じている。いくつかの点において、率先できないという気後れに引きずられた形である。


 それはひとまずおいて、今回のいわゆる解説本、活用マニュアルは「教養書」そのものだと思う。いろいろな講座でお聴きした内容も多いが、新たに感ずることも多くあり、「道徳」価値項目の重要な部分が網羅されている。コラムや参考そして巻末の教育語録、各種法律の抜粋と幅広い視野のなかで、日本の伝統文化を教えるうえでの必須事項が絞りこまれている。


 言葉にこだわることは、先生からの唯一無二といってもいい教えだと思っているが、今回も目を見開かされた。たとえば「表現」という言葉の「表」と「現」の原義にふれ、その本質に触れている。たとえば「家族」の項目では、様々な事例を紐解きながら、存在意義や役割について確かめ、本来「家族」が持ち合うべき心について、ずばりと指摘されている。


 多くの名文の引用があり、どの部分を開いても役立つと思う。子どもたちと共に音読することが本来の使い方だが、ページごとのコピーもPTAなどで十分使えそうだ。「教育名言抄」という頁には、恥ずかしながら初見の文章もあった。その一つを引用してみたい。ブームに乗ってというわけではないが、放送第一話の姿を見て、本当に言いそうだなと思った。

 ◇夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。(吉田松陰)