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「和」で収められた講演

2015年08月05日 | 雑記帳
 横山浩之先生を招き、教育講演会を実施することができた。これも前々から考えていたことの一つで、本町教職員にはいい刺激になったと思う。当然だが周囲の反応も上々であった。印象に残ったことをいくつか書き残しておきたい。まずは一年生対象の授業ビデオ。実にソフトでその柔らかい語り口に惹き込まれた。


 参加者に対する講座全体も語り口は柔らかくなった気がした。もちろん場の設定や時間的なこともあるだろう。模擬授業などでズバズバと斬られていた光景が懐かしく思えた。現在は、先生ご自身がもう一つ高みに立たれたようなイメージでお話を展開なさっている。その結果、より主張が伝わりやすくなっている。


 乳幼児期から小学校前半までの子どもの言動を「科学の目」でとらえられ、指導・支援に必要なポイントを絞ってお話してくださった。私たちが経験で知っていることも、何故そうなるのかを明確に分析してくださった。それはある意味で「対応の原則」を確認する作業で、教職員には時々そういう時間が欲しい。


 「中学校における発達障害」も盛り込んでいただいた。就労に関する話は汎用性が高いと感じた。つまり障害者であろうがなかろうが、就労に必要なのは「売りとなる能力」。若者の離職率の問題は、それ以前の必須条件となる態度や能力のことも大きいのだろう。それゆえしっかり訓練された者は強いということになる。


 最後を「日本社会の特性を考えよう」と締めくくられたことが心に残る。「同じであることに価値を認める文化」は今どちらかと言えば否定的なニュアンスで語られることが多い。しかし、穏やか、和やか、調和、平和…は立派なこと、守るべき価値である。自信を持って教えるべきである文化であることを確認したい。