すぷりんぐぶろぐ

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名付けて飼い慣らせばいい

2015年08月15日 | 雑記帳
 8月に入った頃だった。右目の前を小さな虫が飛んでいるような気がした。眼鏡を吹いて、目の周囲をタオルで拭いたり、目薬を差してみたり…。鏡を覗いて異常がないか確かめたが…。これはもしや、目の前を蚊が飛ぶように見える症状、たしか「飛蚊症」と言ったような気がして、ネットを使って検索してみた。


 ズバリだった。例示されてる画面ほど、多数飛んでいるわけではないが、明らかにこの症状だ。しかも目の老化的なことが原因で、治しようもないことが書いている。近視乱視ということもあるし、目の前に何かチラチラするのがとても嫌で、車の前方に何か吊るしたりすることなど絶対しない。ちょっとショックだ。


 夕食時、家族に訊いてみる。「あれ、あの目の前を蚊が飛んでいるような感じ…飛蚊症って言うんだっけ。それになってしまったみたいだ」と口を開くと、連れ合いだけでなく、娘までが「私もあるある」「昔からある」と当然のような発言。さらに衝撃的な言葉が発せられる。「私なんか、その蚊に名前つけてるよ


 ええええっ、我が連れ合いは時折想像もできないことを口にするので、少し慣れているが、これには参った。たぶん網膜?の異常が引き起こした線状の物理的な動き(の比喩)について、名前を付けているとは…。いったいどんな名前だというのか、怖くて訊くことができなかった。ただ雄か雌かぐらいは知りたい。


 その晩寝床に入り、名付けの発想が結構面白いと思うようになった。見る対象に集中していれば、あまり気にならない「蚊」なのである。つまり、目障りになる目前のことは、名付けてしまい飼い慣らせばいい。消すことは無理でも、重要ではないものは意識しない。見るべきものは、その先にあると教えてくれる。