すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

北の地、平和な風景

2015年08月11日 | 雑記帳
 先週末から2泊の予定で北海道へ。函館は数年前まで娘がいたので繰り返し行っていたが、飛行機を利用しての札幌はもしかしたら10年近くご無沙汰かもしれない。その折にも感じた中国、韓国人観光客の多さは着実に拡大していることを目の当たりにした。掲示や案内に英語、中国語、ハングル文字等が目立った。


 観光地にとって人が集まることは喜ぶべきこと。しかし実際相手にしている人の心中はどうなのだろう。小樽で乗ったタクシーの運転手さんは「アジア人が多くてねえ…」と内容はぼかしたが、戸惑いや困り感が表れている口調だった。日本の景観や食に見られる繊細さという部分の理解は、難しいことかもしれない。


 レンタカーを借りずに、電車やバスでの移動をした。自分にとっては珍しいが、昼からビールを飲める夏にふさわしいメリットもあり、これもまた良しだった。さらにバス路線にある多くの地名が実に北海道らしく、言葉フェチ?としては、聞いているだけで楽しかった。今回、想像力を書きたてられた地名№1は「忍路」。


 「オショロ」と読む…Wikiによると「アイヌ語の『オショロ・コッ』(尻のような窪み)に由来する」。小さな半島地形から来ているのだろう。問題は「忍」の字がなぜ当てられたか。それに関する記述はない。誰かが何かを忍ぶことに関係あったか。忍路中学校は全校生徒16名。忍んだ果ての結果は全国共通である。


 ロープウェイの券とセットになって絵馬が渡された。上ると神社があり、お参りと願懸けをする。既に掛けられている絵馬を覗くと、定番の「健康安全」「結婚」「受験」「物欲」(笑)などが目立つ。笑ったのは「夏休みの宿題をしっかり終わらせることができますように」と「体重30kg減」だ。自分できちんとやれよ。


 その日は8月9日。私は「家内安全」と共に「家外平和」と書いた。世界や地球と書くのは躊躇われて「家外」と造語したが、連れ合いが覗いて「家の中は平和か」と軽口を叩く。平和がどんな状態を指すのか、それには数多くの解釈があるが、不平不満はあっても隣国と自由に行き来できる今の状況は認めてもいい。