すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

カズノホンヲ ヨミマシタ

2015年08月28日 | 読書
 調べ物があって、2階の教材室をごそごそしていたら、古い資料があり、悪い癖で見入ってしまう(おかげでまた肝心のことが…)。かなりくたびれた教科書らしき冊子を発見。これはあまりに見所があるので、持ち帰ってじっくりとページを開くことにした。表紙に「カズノホン 三」「モンブシャウ」と書かれてある。


 裏に持ち主の名前が「菅原静子」(行書なので、たぶん)と毛筆で記されていた。奥付では昭和19年刊である。「」とあるので三年生と思いきや、そうでもないようだ。教室の絵があり次の文章で始まっている。「二年生ニ ナッテ、カハッタ コトガ イロイロ アル デセウ。アナタノ ケウシツハ カハリマシタカ。


 そこから「席がどんな所にあるか」「生徒は何人か」「近所の入学者数は」などという問いが続く。その後「勇サン」を例に「地区内の学年別の人数」を知らせ、「ミンナデ ナン人デスカ」といった構成である。現在でも十分通用しそうだし、活用などと言わなくとも、生活における「数」の認識は押さえたいことだ。


 次は時計が登場して、学校へ出かけるときの時刻を書きこませる。「勇サン」の例も出てくる。そして学校における時間に関する問いが続く。例えば「ジュゲフハ ナン分カンデ ヤスミハ ナン分カン デスカ」などである。昨日の午後3時頃に何をしていたかという問いは、次を考えると時間に結び付くので面白い。


 5ページからは遠足に行った場面である。牧場へ行って、馬の数を取り上げてたし算の設定をつくっている。時代を感じさせるのは「花子サンハ 來ル トチュウデ ワラビヲ 七本 トリマシタ」…このままでは、現在の2年生には通用しないだろうな。代替はあるだろうか。次は計算だが、その言葉遣いに驚く。

 (ツヅク)