すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

皿を見て一事が万事

2015年11月23日 | 雑記帳
 隣市にある温泉施設が休業すると聞き、この連休中に家族と訪ねてみた。もう20年以上前になるが、開業した頃は結構利用したような気がする。職場で連れ立って行っただけでなく、個人としても宿泊したことが数回ある。広い浴場、なかなか洒落たレストラン、付随する施設もあり総じてよかったという印象がある。


 思い出は赤いボンネットバス。職場(現在務めている学校だ)の忘年会で利用した。その宿泊日がなんと終業式の前日、みんなでそのバスで子どもたちが登校している時間帯に玄関先に降り立った記憶がある。前夜の盛り上がりは凄かったし、いったいどんな顔を見せていたのだろう。つくづく、いい時代であった。


 さて、いわゆる第三セクター運営となっている地方の施設が、休業、閉業に追い込まれていることは珍しくはない。その理由としてこの辺りでは、震災以後の客足が伸びないことを挙げる。確かにそうなのかもしれない。しかし改めて休業間近な箇所を訪れてみて、本当なのかと、少し首を傾げたくなることもあった。


 関心のある「食」に絞って語ろう。何度か経営者が変わったため、メニューに一貫性がなかったのは仕方ないことか。しかし結果的に「あそこに行けば、あれがある」というイメージを築けなかったことは大きい。規模からすると、家族向け、中小団体向けがねらいだが、先鞭をつける者の舌を納得させねばならない。


 休業間近で混み合い忙しくしている従業員たちがモチベーションを下げているのか、残念な食が目の前にあった。そのいちいちは記さないが、白いスープ皿の拭き取り跡が残っているのは少し悲しかった。評論家気取りで些細なことを遠因に挙げるわけではない。しかし皿を見つつ「一事が万事」という諺が浮かんだ。