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仮説実験生活の心得

2015年11月01日 | 読書
 『発想かるた』よりもう少し。

 板倉氏は言うまでもなく、仮説実験授業の祖であり、それに絡んだことわざがいくつもある。
 そして、それらはある意味とても有用な人生訓でもある。


 「予想たてると見えてくる」

 筆者は「なぜ、どうしてと考える習慣」よりも、予想を立てる方が効果的という。
 理由、訳を問うことは、よく知っている人に聞いたり、調べたりが主になるが、それより予想を立て、自分で実験して確かめる、失敗してもその理由がつかめることに意義を置いている。
 生活の全てに応用可とは言えないが、「出だしの論理」として貴重な姿勢である。


 「予想変えるも主体性」

 予想を変えることは恥でも何でもない。
 公表した意見の変更は少しばかり勇気がいるが、周囲にとらわれると本質を見失う。
 変更へのこだわりを捨てることが、自分の進歩につながるという、これももっともな話。


 「疑問は選択肢できけ」

 仮説実験授業の大きな特徴でもあり、解答例があることが、授業への参加を促している面が非常に大きいと思う。
 授業で選択肢を用いると、ともすればクイズ的というような批判をうけることもあるが、「問題の意味が明確」になるという観点は、非常に大きいと思う。
 授業に限らず、人生は選択の連続でなりたつとすれば、肝心な時に漫然と考えるのではなく、いくつかの選択肢を持って思考できることは、とても大事である。
 筆者はこう書いている。

 「選択肢付きの問題提起ができたら、半ば問題を解決したに等しい」


 たぶん選択肢をつくる段階で、覚悟を決めるということか。



 さて、この本をもとに書いてあるとても充実したサイトを見つけました。
 ある学習塾の方が開いているページで、ここの部分は今年書かれています。
 20年以上前の著書なのに、それだけ普遍的な真理が散りばめられているということですね。