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桜と絵本と豆乳と

図書館で真砂女の句に唸る

2015年11月07日 | 雑記帳
 2年生が町立図書館へ見学に行くというので、後からのこのこ付いていった。利用したことのある子、初めての子と様々なようだが、ふだん入れない書庫などにも入れていただき、興味を持って調べているようだった。私はと言えば、書棚を眺めて、あらららこんな本まであるのかと…一日のんびりしたい欲求を持つ。


 目を転じて、館内には実に沢山の貼り物も目立つ。漢字能力検定協会の「今年の漢字」募集箱もある。そういう時期だなあ。確か今年は20周年。傍にあった『漢検ジャーナル』なる小冊子には「20周年を迎えた『今年の漢字』」が特集されていた。始まりが1995年、いろいろな意味で変化の激しかった年である。


 95年の「震」に始まり、昨年の「税」まで、確かに世相に合う字が取り上げられているようだ。ふと、2位の漢字に目をつけてみた。95年から数年間は実に特徴的だ。95「乱」96「菌」97「破」98「不」99「乱」00「乱」と二十世紀が終わる。まさに世紀末だったのか。そして幕開けの01は「狂」。これも象徴的か。


 ひとしきり見て、学校へもどろうとしたら、玄関ホールのコーナーに「町を訪れた文士の色紙展」があり、しばし目をとめる。井上靖や高橋治は知っていた。藤原審爾の石碑があるので、その関わりで色川武大も来町しているではないか。色川の「狂人日記」の結末の幻想が、西馬音内盆踊りだったことは知らなかった。


 当然、盆踊り絡みが目立つ。文士でなくとも有名人の来町は非常に多い。おおぅ鈴木真砂女がいる。あの情熱的な女性俳人は、91歳の高齢で訪れて盆踊りを観たという。その折の句が色紙に残されていた。解説によると真砂女の代表句の一つになっているそうだ。「鴨引くや人生うしろをふりむくな」ううむ、沁みる。