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校歌を読み解けば

2015年11月12日 | 教育ノート
 町内の学校の統廃合が進められていて、その事業の一環として校歌CDの作成が始まった。本校からも4年と6年が参加し、録音を終えた。その様子を見ながら、「校歌」を授業にかけることはできないものかとふと思った。そうした実践記録がどこかにあったような気もするし…。詞を読みとりながら考えてみよう。

 本校の校歌の1番の歌詞である。

 ふるさとのわが学舎(まなびや)
 揺籃(ゆりかご)の園 ゆりかごの園
 馬音(ばおん)の流れ ぬるむ春
 萬物(みな)すこやかに芽ぐむ歓喜(よろこび)
 行くては明けて大いなる道
 ああ はろばろと はろばろと


 この後に夏秋冬の詞があり、4番まで続く。
 制定は昭和33年。本校にゆかりのある演出家、演劇評論家で、久保田万太郎に師事した大江良太郎という人の作である。格調高い詞といっていいだろう。

 思いつくままに、気づきと考えたことを書いてみる。

・4番まで全て共通しているのは、一行目と六行目である。それと「道」という言葉。
・「ふるさとのわが学舎」とは、本校そのものを指している。
・「はろばろ」は古語であまり使われていないが、ひろびろ、はるばるにつながる。漢字で書くと「遥遥」であり、遠くの地点まで広がりをもつ意と考える。

・従って、わが学び舎が教え育てる道がいつまでも続きますように、といった思いを骨にした詞である。

・生まれ育つ象徴の場としての「揺籃」である。
・「園」とは「特定の場所、何かが行なわれる場所」を示す。
・「馬音」は、地区西馬音内から取っている。川の通称でもある。
・「行くて」は「行く手」であり、向かっていく方向示している。

・従って、学校で子を見守りながら教え育てていることに、水温み、植物が芽吹く春のイメージを重ねて、明るい未来を強調しているのが1番の詞と言っていいだろう。

 と以下、4番までやってみようと思う。

 校歌を読み解くことも結構面白い。