【2015読了】115冊目 ★
『人生、お楽しみはこれからだ』(西木正明 ベスト新書)
土日に関係行事のないのは一ヶ月ぶり。読書と録画で楽しめるいい休日になりそうだ。天気もよくないし、家でゴロリとできる。秋田出身の直木賞作家である著者の新書が目につき、購入してみた。読者対象と考えているのは50代、60代の定年間近、定年後の男性だ。まあ、作家が軽く書き流している感じの一冊だ。
だいたいこういう類の本のキーワードは決まり切っている。一つには「趣味」。自分が続けてきた趣味、若い頃の趣味、やりたくとも手を出せなかった趣味…ここを起点に考えてみようということ。それから「挑戦」。それを具体的に細分化して「旅」「ボランティア」「ファッション」さらに「恋愛」などが並ぶのが常だ。
そしてなんといっても「健康」は必須事項。限られた時間の充実を保障する基盤を書かない作家はいない。こう考えてみると、自分にだって書けそうな気がするが、そこは作家先生たちの個性的な暮らしと圧倒的な筆力で、書籍に仕上げていることを忘れてはいけない。で、この本で表される西木氏の個性とは何か…。
週刊誌の記者、デスクというキャリアから備わる「好奇心」は、刺激的な情報に溢れている。多くは旅先でのエピソードであるが、特にソ連崩壊直後のロシアにおける元KGBとの接触は象徴的だ。またトピック的に取り上げている世界各国、日本の島々など訪れた箇所の紹介もいい。総じていわゆる「旅通」なのだ。
結局「趣味」に重なるが、「通」になることが「お楽しみ」なのだろう。最終章「3.11以後の日本を考える」で、近現代史に触れながら「将来の予見」の不確実性を強調し「見えない不幸におびえず生きる」と結論づけた著者。「お楽しみ」という軽さを持ちながら、飄々と生きる通の人のしなやかさ、したたかさが見える。
『人生、お楽しみはこれからだ』(西木正明 ベスト新書)
土日に関係行事のないのは一ヶ月ぶり。読書と録画で楽しめるいい休日になりそうだ。天気もよくないし、家でゴロリとできる。秋田出身の直木賞作家である著者の新書が目につき、購入してみた。読者対象と考えているのは50代、60代の定年間近、定年後の男性だ。まあ、作家が軽く書き流している感じの一冊だ。
だいたいこういう類の本のキーワードは決まり切っている。一つには「趣味」。自分が続けてきた趣味、若い頃の趣味、やりたくとも手を出せなかった趣味…ここを起点に考えてみようということ。それから「挑戦」。それを具体的に細分化して「旅」「ボランティア」「ファッション」さらに「恋愛」などが並ぶのが常だ。
そしてなんといっても「健康」は必須事項。限られた時間の充実を保障する基盤を書かない作家はいない。こう考えてみると、自分にだって書けそうな気がするが、そこは作家先生たちの個性的な暮らしと圧倒的な筆力で、書籍に仕上げていることを忘れてはいけない。で、この本で表される西木氏の個性とは何か…。
週刊誌の記者、デスクというキャリアから備わる「好奇心」は、刺激的な情報に溢れている。多くは旅先でのエピソードであるが、特にソ連崩壊直後のロシアにおける元KGBとの接触は象徴的だ。またトピック的に取り上げている世界各国、日本の島々など訪れた箇所の紹介もいい。総じていわゆる「旅通」なのだ。
結局「趣味」に重なるが、「通」になることが「お楽しみ」なのだろう。最終章「3.11以後の日本を考える」で、近現代史に触れながら「将来の予見」の不確実性を強調し「見えない不幸におびえず生きる」と結論づけた著者。「お楽しみ」という軽さを持ちながら、飄々と生きる通の人のしなやかさ、したたかさが見える。