すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

学習モードへの助走

2019年07月12日 | 読書
 来週に某小学校でゲストティーチャーを頼まれていることがあり、頭を学習モードにしようかなと、関連ある図書を調べてみた。児童用は実際あまりないが夏井いつきが目立つ。雑誌にも登場するし、テレビで見る機会も多い。バイタリティがありエネルギーが強そうだ。この二冊もあの語り口そのままであり楽しい。


2019読了70
 『100年俳句計画』(夏井いつき そうえん社)


 西日本を中心に各地で行っている「句会ライブ」の様子などが描かれている。ぜひ一度参加してみたいなあと思わせられた。そして、この中に収められているいくつかの感動的な場面は、「表現の本質」を教えてくれるような気がする。人間は表現手段によって心の底をさらけ出せる、他者の心を揺さぶることができる。


 「言葉あそび」を人より多く取り上げてきた自分にとっても励まされる言葉があった。そうした類に疑問を呈する方も多いので、夏井はこう答えるという。「『言葉あそび』もできない子どもが、どうやって自分の『真の感動』を表現することができますか。」言葉をあやつる技術と楽しさを知ってこそ、力を発揮する。


2019読了71
 『世界一わかりやすい俳句の授業』(夏井いつき PHP研究所)



 夏井の俳句づくりは、取り合わせを主に進められる。当然前著の句会ライブでもそのパターンが多い。自分も授業として幾度となく試みたが、その手法を初めから強く出したことはなかった。確かに季語、十七の音数という限定のあるなかで、言葉の持つイメージを機能させるとしたら、有効と言えるかもしれない。


 当たり前だが「経験などから発見・気づき→言語表現」が常道、本筋であることは間違いない。しかし、逆に「言語表現→解釈(発見・気づき)」という流れもあるわけで、その双方向が表現・理解の楽しさにつながるのではないか。短い俳句だからこそ、想像の余地が豊富にあり、その特性を生かして楽しめればいい。