和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

虚言(そらごと)する人。

2011-04-25 | 短文紹介
徒然草の第117段に「友とするに悪き者・・・よき友・・」というのがあります。
友とするに悪き者のなかに、「虚言(そらごと)する人」というのがあり、
よき友のなかには、「智恵ある友」というのがあるのでした。

ちなみに、「論語」では益者三友、損者三友。
益者(えきしゃ)はというと、
「直言して隠すところなき者を友とし、信実にして裏表なき者を友とし、博学多識な者を友とするのは益であります。」
損者はというと、
「体裁ばかり飾って率直でない者を友とし、顔つきだけをよくするへつらい者を友とし、口先ばかりで腹のない者を友とするのは、損であります。」
    【「新訳論語」穂積重遠著(講談社学術文庫)p434 】

なんで、こんなことが思い浮かんだかといいますと、
普段買いなれない週刊誌を、この東日本大震災に際して買ったわけです。そこでの水先案内人は産経新聞連載の「花田気凱(かずよし)の週刊誌ウォッチング」でした。今日は、それを切り抜いてみました。3月は19日27日。4月は3日9日16日23日と掲載されております。

ではっと、3月27日の文は、こうはじまっておりました。

「『週刊文春』はアマチュア、『週刊新潮』はプロ、両誌を比較して、ぼくはこう言ってきた。アマにはアマの、プロにはプロの良さ、悪さがある。発売中の3月31日号の大震災特集を読んで、つくづくそう思った。」

では週刊文春の「虚言(そらごと)」を指摘する花田氏

「東電に対して『文春』はこんなふうに書く。たとえばリードに【肝心の社長は雲隠れ】、サブタイトルに【自殺説も流れた清水社長】。だが、本文を読んでみると、【地震発生から一週間後、その清水社長が行方不明になったという噂が流れた。「自殺したと言いだす議員もいた」(民主党関係者)無責任なデマだが(以下略)】自らデマと書いているのにこんなタイトルやリードをつける。何が何でも東電を悪者にしたい『文春』の姿勢がうかがえる。ガキの正義を振り回すなかれ。むろん東電に全く責任がないと言っているのではない。だが、今は東電を責めるときではあるまい。」

比べて週刊新潮を語ります。

「そこへいくと『新潮』はさすがにプロだ。いや大人だ。
『「暴走原発」最奥部に留まった人々の死闘』
『放射能より怖い『流言飛語』!
 日本列島を席巻した『デマ』と『噂』に惑った人々』
『首相官邸「240時間」の機能不全』
・・・ワイド特集が・・活動をきちんと伝えている。」


4月になると、「週刊ポスト」を薦めております。
4月16日の連載では、こうはじまります。


「『週刊文春』(4月21日号)は
【東京電力『福島第一原発』の反乱】と
相変わらず東京電力批判を繰り返しているし、
『週刊現代』(4月23日号)は
【放射能汚染列島「20年後の発病」その危険性】などと
原発、放射能の恐怖を煽るような記事ばっかり。
もう少し冷静な報道を望みたい。
先週も書いたが、『週刊ポスト』が今週(4月22日号)も
抑制の効いた報道ぶりで際立っている。
【「煽りメディア」の非科学、無知は放置できない
  原発と放射能「過激な嘘」が暴走する】
と『週刊現代』などを真っ向から批判。


そして4月23日の花田氏の文には、こうありました。


「『週刊ポスト』(4月29日号)の言うとおり、
【原発反対派や「煽り派」のなかには、正しい情報であっても(中略)「安全デマ」などと呼んで否定し、「もっと悲惨なことが起きている」と言い張る者もいる。原発の危険を訴える人ほど原発は危険であってほしい、と願っているような奇妙なねじれが生じている】・・・『ポスト』のこの記事【「煽らない」本誌が徹底検証!福島第一原発 考えうる「最悪のシナリオ」】。冷静にかつ行き届いたリポートだ。必読!」



普段はいざしらず、
こういう時に、よき友、益者を探し出せる、
千載一遇のチャンスなのかもしれませんね。
コメント
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