和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

待ち時間。

2011-04-11 | テレビ
今日発売の週刊ポスト(4月22日号)を購入。
すると、戯れ歌があるじゃありませんか。
ACジャパン(公共広告機構)のCMに使われている詩
金子みすず『こだまでしょうか』と宮澤章二『行為の意味』。
その詩を題材にした戯れ歌。

  「こころ」は見えないけれど
   震災利用の「下心」は透けて見える
  「思い」は見えないけれど
  「思い上がり」は誰にも分かる

写真入の記事には、こうありました。
「『震災後、ぶら下がり取材を拒み続ける菅総理らを引き合いにして、番記者が待ち時間に遊び始めたのがパロディの始まりで、いつの間にか官邸全体にまん延していた』(政治部記者)そう。・・・・」

「待ち時間」といえば、鶴見俊輔座談全10巻の内容見本に、鶴見さんの(談)が載っていて、その談話の最後にこんな箇所があったのを思い浮かべました。

「対談という、もともとの伝統は、連句、座の文学なんですね。戦国時代、城攻めのときは、待ち時間がものすごくあるでしょう。そのとき、座興のために連歌師の宗祇のような人が、かたちをつくったんです。それ以前には、男女が山や市などに集まってお互いに歌を詠み交わす、歌垣のような『万葉集』のころからの洗練された伝統があるんですね。・・」

余談にわたりました。
それより、雑誌にある番記者の戯れ歌を、もうひとつ。


   「大丈夫?」っていうと
   「大丈夫」っていう
   「漏れてない?」っていうと
   「漏れてない」っていう
   「安全?」っていうと
   「安全」って答える
    そうして、あとで怖くなって
   「でも本当はちょっと漏れてる?」っていうと
   「ちょっと漏れてる」っていう
    こだまでしょうか?
    いいえ、枝野です



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

必読週刊誌。

2011-04-11 | 短文紹介
産経新聞4月9日(土曜日)には、毎週掲載の
「花田紀凱(かずよし)の週刊誌ウォッチング」。
そのはじまりは、
「『週刊ポスト』が他誌の原発事故報道を手厳しく批判している。『ただ徒(いたず)らに「不安」と「差別」を煽る人々、絶対に許せないいわれなき『放射能差別』・・・」
ありがたいのは、週刊誌の評価をしてくれていることで、
普段買いなれない週刊誌への水先案内人を、ここにみつけることができ安心。

ということで、最後を引用。
「『ポスト』では巻頭、石井光太さんのリポート『遺されて』、八木秀次高崎経済大教授の『検証 大新聞の「震災報道」』が必読。・・・・」


花田さんの薦めにしたがって、「週刊ポスト」(4・15)を購入。
八木秀次氏の文を読む。なるほど。
まず、新聞一面の大見出しを取り上げ、
「新聞の場合、同一事件では第一報が最大の見出しになるのは仕方がないとしても、それ以降の見出しだけ追っていくと、原発事故は収束に向かっているような印象を受けてしまいます。しかし、現時点では決してその目処は立っていない。むしろ時間が経つほど次々に新たな事態が起き、状況は悪化している。・・・」(p46)

「記事を読んでも事実の羅列ばかり」という指摘もあります。

「政府や東電が記者会見で行なう発表というのは、いってみれば戦時中の【大本営発表】です。記者が現地で取材できない以上、大本営発表に頼らざるを得ない事情は理解できます。しかし、大本営発表を受けて、さらに、池上彰さんのように、咀嚼して読者にわかりやすく伝えたり、専門家の意見も交えて政府発表は信頼に足るかを検証したりしなければ、新聞報道の意味がなくなってしまいます。原発の構造図を何度も見せられても、結局のところどうなのかが書かれていない。読売の3月15日付朝刊『燃料棒 全て露出』という見出しも、何か恐ろしい事態が起きていることは伝わってきますが、これでは何が起きていて、どう危険なのか読者は理解できないと思います。記事を読んでも事実の羅列ばかりで、よくわからない。」

ダチョウの法則というのもユーモアがあります。

「見出しが何かを伝えようとするものである半面、見出しにしないことで何かを伝えようとしないのも、また新聞の一側面であるといえよう。驚いたのが、【自衛隊】と【米軍】が見出しにならないことです。・・・・見出しの周りに、【自衛隊】という言葉がまったく使われていない。朝日も18日付朝刊一面の大見出しで『原発肉薄 30㌧放出』と主語の抜けたフレーズを採用している。阪神大震災の頃と比べれば、自衛隊の扱いはずいぶんよくなりましたが、米軍による支援については、報道自体が少ない。・・・1万8000人体制で支援をしてくれている。中国からはレスキュー隊15人がやってきて、確かにありがたいことですが、それと米軍の支援を「世界何十か国からの支援」と一緒くたにしてしまうのはいかがなものか。・・・米軍による支援を見れば、日米同盟や在日米軍の存在意義が改めてわかるはずなのに、各紙がそこに言及していないのも問題です。青森県の三沢基地は、自衛隊との共同活動拠点になっています・・・沖縄の米軍基地からも2500人以上もの海兵隊員が災害支援で出動している。自衛隊との共同演習を積んできたからこそ、このような大部隊が連携して動けるのです。・・・朝日や毎日は、在日米軍を邪魔者扱いしてきた現政権に対する批判が決定的に足りないですね。」

「こういう状態になってしまった背景には、自衛隊や在日米軍の存在にしろ、海外メディアの変化にしろ、嫌なことは見たくない、なかったことにするという【ダチョウの法則】(頭だけ穴に突っ込んで襲ってきた敵を見ないようにする)が働いているといっていい。」


「従来からの【市民社会の実現】という主義主張で、本当にこの国難を乗り切っていけるのかという不安で揺れ動いているということが見て取れるのです。」


また一面広告にみる「各紙の良心と打算」にまで言及しておりました。
うん。買って読むだけの価値あり。
石井光太さんのレポートはまだ未読。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする