和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

プラスになるように。

2011-04-18 | 短文紹介
今日発売の「新潮45」を買ってきました。
読み甲斐があります。
たとえば、ビートたけし達人対談。
対談相手は鎌田浩毅。

たけし】 先生は火山の専門家ですが・・・今回の東日本大震災が来る前から、政府の地震調査委員会の報告では、宮城県沖地震、三陸沖北部地震、茨城県沖地震が今後三十年以内に起こる確率は90パーセントを超えていたそうで、先生もそのことを昨年末、雑誌で警告していた。特に宮城県沖地震は99パーセントだった。そのことに驚きましたね。

 こう警告した鎌田浩毅氏は、対談でこう語っております。

鎌田】 日本列島は今、地震の活動期に入ったと言われています。
ここ20年ぐらいは今のような頻度で内陸の地震が起きます。その最後に、東海、東南海、南海地震が起きる。地震学者の間では、これからの地震は2030年代に来ると言われています。つまり2030年から40年の間にほぼ確実に大地震がくる。この三つは連動して同時に起こる可能性があって、その後に富士山が噴火するかもしれない。江戸時代にも同じようなことがあって、三連動した宝永大地震が起きた49日後に富士山が噴火しているんです。・・・いや、地球科学は常にプラスマイナス20年ぐらいの誤差がありますから、実は今年起きてもおかしくないんです。

詳しくかたられてゆくので、読まれるのがよいと思います。
その先生にあたられるのじゃないかと思うのですが、尾池和夫氏の「日本列島の大地震、大噴火は今後数十年つづく」も、同じように目を通しておく内容。

「新潮45」での曽野綾子の連載「作家の日常、私の仕事」は今回が最終回。

「今回事件についてもっとも硬直した考えしかできない人種を生んでいたのはマスコミだったように見える。しかし私は彼らを非難することもできない。彼らの多くは若すぎたのである。つまり電気のない社会が、この地球上に存在することを理解できなかったのだ。・・・彼らの硬化した頭は、非常時に対応し切れていないように見えた。彼らは平和の落とし子であった。」(p20)

この号には、特別対談・曽野綾子VS藤原正彦もありました。
それに養老孟司の文からすこし引用。

「いままで抽象的な言葉で語られていた問題がたくさんあったわけです。省エネの大切さは言われて久しかった。でもどこか議論は抽象的でした。これから先は、具体的に議論ができます。これから先は、具体的に議論ができます。どのくらいの停電であれば世の中は回るのか、どのくらいならば不満が出るか。・・・・
確かに戦後最大の天災なのは間違いありません。津波の後の三陸地方を見ると、東京、福岡、神戸等、空襲後の日本の都市を思い出します。原子力という点からは、広島、長崎との関係が連想されます。まさに敗戦のときの日本が今回、あの地域に再現されているかのようです。」

そして、養老さんは最後に、こうしめくくっておりました。

「生きていれば、さまざまな悪いことが起こります。しかし、何かあたときには最終的にプラスになるように考えるしかないのです。・・・この場合、むしろ人生が完成する、より成熟する、より良い答えになるということです。自分の人生がよりいい作品になる。そう思えばいいのです。」

読み甲斐のある一冊。何やらDVDもついている。
コメント
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