和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

耳バカ

2014-07-05 | 短文紹介
外山滋比古著「国語は好きですか」(大修館書店)
をとりあえず読み終わる(笑)。

楽しい読書なので、薦めたくなるのですが、
どれかひとつ選んで薦めてください。
と言われたら。そんなこと言われないか(笑)。

「聴く・話す」(p66~78)が、いいかもしれない。
この文のはじまりは、

「日本人はもともと耳バカだったのかもしれない。
人の話をきいてもよくわからない。すぐ忘れてしまう。」

うん。身につまされる出だしです(笑)。

p72には、こんな指摘がドキッとする。

「アナウンスは、Attention,pleaseで始まる。
日本語では、『よくご注意ください』の意味だが、
よく見よ、ではなく、よく聴け、という注意なのである。
軍隊用語としては、アテンションは『気をつけ』の
意味だが、よく注意して聴け、ということである。
日本語で、注意、といえば、
しっかりよく見よというニュアンスがつよい。
日本人の耳がノンキになるわけである。」

うん。耳がいたい。
さらに、p74では。

「〈言挙げ〉するのを嫌った日本人である。
スピーチが文章を書く以上に難しいということを
知る人はいまだにきわめて少ない。」

うん。そんなこと思ってもみませんでした。

さて、残りの4頁は、
どのように展開しているでしょうか(笑)。

他の文も、一見さらりとしていて、
著者がまるで、
古典落語の長屋の大屋さんのようで、
先生のお小言を頂戴しながらも、
有益で、読み応えがあります。
足下の細部が、王道へとつながり、
光明を見る思いがします。
じゃなかった、聴く思いがします(笑)。

ということで、
楽しみのおすそ分け。
コメント
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