和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

セ氏50度。

2014-07-10 | 短文紹介
読売新聞の「時代の証言者」に登場した
岡崎久彦氏の連載が7月8日で最終回。
25回の連載でした。

最終回の終りはこうなっておりました。


「集団的自衛権の必要を感じたのは、
防衛庁時代の80年頃、米海軍司令官と
話したとき。中東から日本に至る
シーレーンを警備しているのは米第7艦隊
だが、通るタンカーのほとんどは日本に
石油を運ぶ船。インド洋での勤務は、
甲板で監視しているとセ氏50度にもなる
という激務です。一方、自衛隊は
集団的自衛権が認められていないから、
パトロールに参加できない。
集団的自衛権の行使を認め、自衛隊が
パトロールに加われば、国際社会の
大きな信頼を得ることができる。・・
退官後、新聞等で繰り返し訴え、
安倍首相が官房副長官時代から協力して
歴代首相に働きかけてきました。
待ちに待った憲法解釈変更が
35年たって実現しました。・・・・
安保法制懇の審議最終日に私は、
中国の保有する第4世代戦闘機の数が、
極東米軍と自衛隊を合わせた数に
追いつき追い越そうとしている現状を
指摘しました。東アジアの軍事的均衡
から見れば、日米の一体化が死活的に
重要になっていることが分かります。
日米関係を盤石にすること、そして、
連載初回に語ったように
米国情報を的確に把握すこと。
その二つができれば、21世紀も
日本の自由と安全と繁栄を維持できる
と確信しています。」


次の日の産経新聞7月9日の連載
「曽野綾子の透明な歳月の光」は
LNGタンカーへの乗船を書いてます。
その後半を引用。

「ホルムズ海峡の奥の、地球上でも
もっとも気温の高そうなペルシャ湾内で・・
私はこの海域を、日本の10万トンのLNG
タンカーでカタールまで行った。
この湾の周辺には、国家などという概念では
割り切れない勢力がはびこる。・・・
誰でも自分の行動の邪魔になるものは、
自力で排除して当然なのだ。それを
しないのはアホか、ということになる。
・・・
私が乗った船は、日本の化石燃料を
途絶えることなく補給するために、
たえず日本とカタールの間を走っている。
・・・
当時からこうした船の安全を講じてやる
配慮は日本政府になかった。
危険な仕事は人にやらせ、
自分は正義と正論を唱える、のは簡単だが、
戦争で人を死なせるのは悪で、
日本経済の死活問題であるエネルギーの
補給に携わる人の危険は放置していい
という論理は成り立つのか、
私はずっと教えてほしいと思い続けている。」
コメント
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