雑誌で、印象深い対談があったりします。
うん。雑誌は、すぐに忘れてしまいがち。
季刊『本とコンピュータ』1999年冬号。
ここに、鶴見俊輔と多田道太郎の対談
『 カードシステム事始 廃墟の共同研究 』が載ってる。
対談のはじまりには、二人して夜道を歩いている写真。
鶴見さんが笑っています。多田さんが少し後ろから、
まあまあというように鶴見さんの二の腕を押さえています。
対談は、1949年(昭和24年)の桑原武夫さんが中心となった、
共同研究が語られてゆきます。
ちゃんと、カードシステムについてふれながらの対談なのでした。
うん。二箇所引用。
「 皆の論文が集まってきたときに、桑原さんが
『 いまとても豊かな感じがする 』
と言ったのを覚えてるね。そういうものが
共同研究の気分なんですよ。カードを共有する
という発想もそこから生まれたんです。 」( p202 )
それから、対談の最後も引用しなくちゃ。
「 それとね、私たちの共同研究には、
コーヒー一杯で何時間も雑談できるような
自由な感覚がありました。
桑原さんも若い人たちと一緒にいて、
一日中でも話している。
アイデアが飛び交っていって、
その場でアイデアが伸びてくるんだよ。
ああいう気分をつくれる人がおもしろいんだな。
梅棹さんもね、『思想の科学』に書いてくれた
原稿をもらうときに、京大前の進々堂という
コーヒー屋で雑談するんです。
原稿料なんてわずかなものです。私は
『 おもしろい、おもしろい 』
って聞いてるから、それだけが彼の報酬なんだよ。
何時間も機嫌よく話してるんだ。(笑)
雑談の中でアイデアが飛び交い、
互いにやり取りすることで、その
アイデアが伸びていったんです。・・ 」 ( p207 )
はい。2023年になって、
『 おもしろい、おもしろい 』
『 いまとても豊かな感じがする 』
なんてセリフが飛び出し、伸びてゆきますように。
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