山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

コマイワヤナギ (ヤナギ科) Salix rupifraga Koidz.

2022年08月18日 | 樹木類
 山地帯の岩場を好んで生育する落葉低木である。甲斐駒ケ岳で最初に見つかったことからこの名がある。高さ1mぐらいで横に広がるが、普通に立ち上がり2mくらいになるものもある。若枝は灰白色で細く、密に枝分かれする。葉は互生し、被針形~楕円形で先が尖り、辺縁に鋭い細鋸歯がまばらにある。葉の表面には初め白毛があるが、後に落ちる。裏面は灰青色で白い毛がある。良く似たシライヤナギに比べて葉の幅が狭い。雌雄異株で花期は5~6月。

 2018年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017:環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    コマイワヤナギ 2019年6月 甲斐駒ケ岳黒戸尾根で撮影


    岩場を好み、横に這うように広がる。


    これは雄花序


    2022年5月 日向山で撮影


    花序の長い個体。シライヤナギの比べて花序は長めである。


    雌雄異株でこれは雌株の雌花序


    綿毛を付けた雌花序


    葉は長楕円形で先が尖る。辺縁に鋭い鋸歯がまばらにある。


    2022年5月 甘利山の林道で撮影した大株


    確信は持てないが、南アルプスの山系なので分布域からコマイワヤナギと思われる。


 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


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ナツエビネは夏バテ  令和4年8月15日

2022年08月17日 | 山に咲く花
 昨年生育を確認したナツエビネを見に行ってみる。暑い日が続いているので今年は花を咲かせずに立ち枯れしてしまったものが多いのではないかと思う。雨が降って数日なので、おそらくヤマヒルもたくさん居るだろう。足元に虫よけスプレーを念入りに吹きかけ、アルコールスプレーを2個持って出陣である。


    昨年初めて花の咲いているのを確認した個体だが、今年はもう花が終わっていた。


    結実しかけているが、この様子ではあまりたくさん花は咲かせなかったのではないだろうか。


    大株で花が咲いたようであるがもう散ってしまっている。真ん中に1本だけ小さな花芽が残っている。


    たぶんこの株は花を咲かせずに立ち枯れしたのであろう。


    期待していた渓谷沿いに生えていた株ももう花が終わっていた。


    昨年は何輪も花を付けていた株は今年は1輪だけしか花を咲かせていない。


    新たに発見した株。これも花は1輪だけだった。


    ナツエビネの花

 暑すぎたうえに雨があまり降らなかった今年の夏はナツエビネにとっても過酷だったようである。花付きがきわめて悪く、花穂が出ていても花を咲かせなかったものがほとんどだった。ナツエビネも暑すぎて夏バテのようだ。個体数も斜面が崩れて消失しているものがいくつかあり、昨年よりは少ないように見える。元気な葉は出ているので、来年に期待したい。

 暑くて汗だくになり、ヘロヘロになってしまったが折角南部町まで来たのでシダを見に行ってみる。


    だいぶ成長して数も増えたオクタマシダ


    オクタマシダ。年々葉の数が増えているように見える。


    こちらの個体も少し大きくなったようだ。


    岩壁に何株か生えている。山梨県では個体数が少なく生育地も限られているオクタマシダ。


    終わりかけたトンボソウ

 何度も行っている渓谷であるが今回は特別に疲れた。お昼の血糖値をコントロールする薬が効き過ぎて低血糖ギリギリの状態で歩いていたようである。いつもはコンビニで食料を多めに買い込んで行くのだがこの日に限ってパン1個しか持っておらず、半分だけ食べて辛抱してなんとか戻ってきた感じである。それなりに険しい谷なので十分な準備を整えて行くべきだったと思った。

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満開のヒメハッカ  令和4年8月14日

2022年08月17日 | 里に咲く花
 ネットで調べてみるとヒメハッカは富士五湖のほとりに比較的多く生育しているようで、竜ヶ岳の中腹にも生育しているようである。その中でも最も見つかりそうな湖に探しに行ってみる。休日で駐車場が混雑しているであろうから、午後4時過ぎを狙って行ってみることにしたのだが、途中で交通渋滞に巻き込まれ到着したのは5時になってしまった。探せるのは1時間ほど、うまく見つかるのかどうか?


    これか?と思ったがちょっと違う。


    背丈の低いイヌゴマだった。


    草むらの周辺を探してみるとそれらしきものがイヌゴマと並んで生えていた。


    頂部に固まって咲く白い花、葉は鋸歯が無い。探していたヒメハッカで間違い無さそうだ。


    やっと発見、ヒメハッカ!と思ったらその近くにたくさん咲いている。


    こんなにたくさん咲くものなのか?


    これでもか!というくらいにたくさん生えていたヒメハッカ。あるところにはあるものである。


    ほぼ直立して咲くヒメハッカ


    ヒメハッカの花。花弁は4弁で上の1弁は縦に割れ目が入る。雄しべは4本、雌しべは1本で、花弁よりも長い。


    葉は対生し、葉腋から枝を出すこともある。葉は全縁でツルっとしている。


    判別の難しいシソ科の植物。


    葉には明瞭な鋸歯がある。おそらくこれはヒメジソであろう。


    湖の水辺には水草がたくさん生えている。


    これはコウガイゼキショウと思われる。


    先日の本栖湖でも見たこのカヤツリグサ科植物。普通にあるようである。


    たぶんカワラスガナだと思うが全く自信なし。


    別のカヤツリグサ属が生えている。


    小穂が細長い。これはコアゼガヤツリではないかと思う。これも全く自信無し。

 ヒメハッカは意外とあっさりと見つかり、しかもたくさん群生していた。絶滅危惧種とは思えないような群生で驚いた。課題をひとつクリアである。

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富士山麓の草原の花散策  令和4年8月14日

2022年08月16日 | 山に咲く花
 早朝に出発したかったのだがネットをいじっているとあっという間に時間が過ぎて8時を過ぎてしまった。天候は曇、これならばまだ花が咲いているかも知れない。日が昇ると花を閉じてしまう気難しい花が全開しているのを見てみたいのだが、昨年も探しに行ったもののやっと見つかったのはお昼頃で花はもう閉じていた。今年こそはと思っていたのだがまたしても出遅れである。


    10時に到着。もう遅いであろうが、曇り空なのでひょっとしたら咲いているかも知れない。


    昨年発見した場所に真っ直ぐに草むらを進んで発見。


    しかし花はもう落下していて種になっていた。残念。


    別の場所で見つけたものはもう花が閉じていた。開いている花は来年に持ち越しである。これはスズサイコという花。


    準絶滅危惧種になっているキキョウだが、この草原にはまだ結構生育している。


    オレンジ色のコウリンカはぽつぽつと見かける程度。あまり多くは無い。


    オミナエシの群落


    ヒキヨモギは結構あるのだが、なかなか良い状態の花が見れない。


    ツリガネニンジンはたくさんある。


    アザミの仲間。


    総苞を触ってみると粘りがあり、これは咲き残りのノアザミであろう。


    葉が硬く棘があり触ると結構痛いアザミ。


    この草原では最も普通に見かけるトネアザミ。総苞の刺が太くて長めであるがモリアザミほど長く無い。


    まだ蕾だが、葉の形がアザミらしくないキクアザミ。食害に遭っているのかあまり多くは見かけない。


    結実したヒメイズイ


    カセンソウの花。もう終盤で痛んでいるものが多かった。


    ヤマジソは生えているところにはたくさん生えている。


    クルマバソウは普通にある。


    これでもかというくらいにたくさん生えているのがこのオオフタバムグラ。これは外来種の帰化植物。


    これも最近増殖が著しいキバナノマツバニンジン。これも外来種の帰化植物。


    何年振りかで出会えたこの赤紫色の花


    かなり個体数が少ないうえに減少傾向にあるマツバニンジン。やっと出会えたといった感じ。


    マツバニンジンの花。午前中だけ花が開いて午後になると散ってしまう気難しい花。


    ボタンヅルの花。葉に切れ込みがある。切れ込みが無いセンニンソウのほうはあまり見かけない。


    薄ピンク色のアブラナを見に行ってみるがなかなか見つからない。咲いていたのはこの1株だけだった。


    訪問時期が遅かったようで、もう花は終わってしまっていた。しかし、以前よりはだいぶ減ったように見受けられるハナハタザオ。

 毎年のように出かけている富士北麓の草原であるが、今年こそは見ようと思っていたスズサイコの開花した花は今年も見ることが出来なかった。夏が暑すぎたせいか、花は早めに散ってしまったようである。何度か探しに来ているマツバニンジンであるが、以前に生育していた場所は人が入り過ぎて踏まれてしまったのか最近は見ることが出来なくなってしまった。今回出会えたのはきわめて偶然であるが、見つかったのは1株のみである。来年もまた咲いてくれるかどうかはかなり微妙である。他の場所にたくさん生育していることを期待したい。

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雨の中のエゾミソハギ散策  令和4年8月12日

2022年08月16日 | 里に咲く花
 富士吉田に出張があり、午後から湖の周辺の植物散策に行ってみる。到着した頃には霧雨程度だったが間もなく土砂降りの雨に変わり、車の中で2時間近く待機することになってしまう。小雨になったところで車の外に出るとまままた雨脚が強くなりまた待機。時刻は4時になってしまい、結局3時間以上も待機することとなってしまった。少し小降りになったところでカッパを着て笠を差して花を見に行ってみる。


    オナモミはまだ花を咲かせていなかった。


    まだ小さな葉の群落があった。花が咲く頃にはこの場所は水没して近付けないだろう。


    イヌゴマは普通に見かける。


    イヌゴマの群生。探しているヒメハッカは見つからない。


    たくさん生えているカヤツリグサの仲間。小型で花序枝をあまり出しておらず、これはカワラスガナではないかと思う。


    これもたくさん生えている小型のテンツキ属。これはヒデリコか?テンツキ属は難しく、まだほとんど手を付けていない。


    エゾミソハギが見ごろになっていた。


    鮮やかな赤紫色のエゾミソハギ


    それなりの個体数がある。


    エゾミソハギの花。花弁は5枚。


    葉は対生し、根元の部分が半分茎を抱く。良く似たミソハギは茎を抱かずもっと大きいらしいのだが、まだ見たことが無い。


    ヒメシロネの群生


    葉は対生し葉腋に輪状に花を付ける。


    咲き残っていたコキツネノボタン


    果実は楕円形をしている。


    マツカサススキの群生


    まだ青い。


    オグルマの群生


    これはハッカであろう。


    これをもっと小さくしたようなヒメハッカという花があるのではないかと思ったのだが見つからなかった。

 エゾミソハギはほぼ満開でちょうど良い時期に訪問することが出来た。うまくすれば富士山を背景の撮れるのではないかと思ったのだがあいにくの雨となってしまった。昨年見つけたエゾミソハギであるが、葉が茎をいだいているかどうかは十分に確認出来ていなかったため、今回はどうしても確認しておきたかった。ヒメハッカも探しているのだがこの場所では発見出来なかった。生育していそうな場所はほぼ目星がついているので、近いうちに訪問してみたいと思う。

 台風が接近しており、甲府に戻る途中から土砂降りの雨になった。もう少し遅れていたら植物観察は出来なかったであろう。

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マツグミが咲いた 甲府市八王子山  令和4年8月11日

2022年08月15日 | 山に咲く花
 咲くのを楽しみにしているマツグミであるが、7月下旬に訪れた際はまだ蕾だった。そろそろ咲いているはずである。富士山も見えているので再び八王子山に行ってみる。


    マツグミが寄生する木と富士山


    咲いているだろうと思ったのだが・・・


    まだ咲き始めたばかりで蕾が多い。このマツグミは花付きがあまり良く無さそうである。


    こちらの木は咲いているが花付きがあまり良く無い。


    日当たりが良い場所だからといってたくさん咲くわけでは無さそうである。


    別の木。こちらは満開。


    見事に真っ赤になっている。


    向こうに見えるのは茅ヶ岳


    大株のマツグミ


    アカマツの木?それともマツグミの木??


    木の幹に寄生したマツグミ


    見事にたくさん咲いている。


    手が届く位置に寄生している至近距離のマツグミ


    見事に満開


    面白い花の形をしている。


    トリーミング画像。4本の雄しべと1本の雌しべ、筒状の花は先端部が割れてめくれ返るようである。


    湖のほとりを歩いてみると、水草がたくさん浮かんでいる。


    花と思わしき棒状の穂がたくさん出ている。


    岸の近くにあった花穂


    棒状の花穂。これはヒルムシロ科の水草であろう。おそらくエビモではないかと思う。

 富士山と真っ赤になった満開のマツグミが撮れなかったのは残念であるが、マツグミの赤い花は存分に楽しむことが出来た。次は実が成った頃にどんな実が成っているのか観察に来てみたいと思う。

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本栖湖パール富士・・・だが?  令和4年8月10日

2022年08月14日 | 月富士
 忍野の用水路に生育する植物の観察を早めに切り上げて次の場所に移動する。途中で雨が降り出したが日が照っている。これはきっと虹が出ているのではないかと、精進湖に立ち寄ってみる。


    思った通り虹が出ていたのだが、太陽があっという間に雲に隠れてしまい薄い虹が写ったのみだった。


    富士山は綺麗に見えている。目的地に移動である。

 月齢は13なのでまだ丸い月にはならないが、本日は本栖湖でパール富士が見られる日である。本栖湖展望台あたりが良さそうだがおそらく人がいっぱいで入れないであろう。そこで少し月を左側から出して富士山から離れた月を撮影するイメージで本栖湖の湖畔でカメラを構える。この場所には誰も居らず、私一人で独占である。2台のカメラをセットして月の出を待っていると・・・想定していたよりもだいぶ左側から月が現れた。


    本栖湖の湖畔でカメラを構える。


    月が現れた、のだが、想定していたよりもかなり左から現れた。


    予定では白山岳の上に月が接触するはずだったが・・・


    離れてしまった。





    一応はパール富士・・・だろう。






    もう少し富士山に近い位置に月が昇るはずだった。

 GPSに位置を登録せずにだいたいこのあたりという感じでポジション取りしたため、月の位置がずれてしまった。天気が良ければもう少し金色の月が昇って来たのであろうが、雲が多くて夕陽が差し込まず、あまりドラマティックな展開とはならなかった。季節が季節だけに、月と富士山が撮れただけでも良しとしよう。


    湖面を照らす月

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忍野の用水路周辺を散策  令和4年8月10日

2022年08月13日 | 里に咲く花
 都留市に出張があり、午後から忍野の用水路周辺に生育している水草を中心に散策に行ってみる。何ヶ所かまわる予定だったのだが早朝からの出張だったため、昼食後に睡魔に襲われ1時間ほど車中で寝てからの散策開始となった。あまりぐっすりとは眠れず、暑くて目が覚めた感じである。

 まずは用水路に生えているミクリを見に行ってみる。


    花が咲いている季節だが見当たらない。良く見れば茎が折れていたり葉が千切れていたりしている。これは刈られた後ではないだろうか?


    もっと奥まで探しに入ってみるとしっかりと生えていた。


    結実しているミクリ。雄花はもう散ってしまっている。


    こちらはまだ雄花が咲き残っている。


    痛みかけているが雄花が残っている。初めて見るミクリの雄花。


    ミクリには柄が無いのだが、先端部の雄花が脱落していると柄が付いているように見えることもある。


    オオアワガエリがたくさん生えている。


    こちらはナベナという植物と思われる。


    薄紫色の花を咲かせるはずだが、これからのようである。


    湿地にたくさん生えている草


    ヒエガエリと思われる。

 次にタコノアシが生える湿地を訪れてみる。


    タコノアシ。ちょうど花が満開である。


    タコノアシの花。湾曲した花柄と花がまさにタコの足のようである。


    マツカサススキが群生し、青い実を付けていた。


    用水路の中の水草。


    花が咲いていないか探してみるが、残念ながら見当たらない。これはヤナギモ(ヒルムシロ科)ではないかと思う。


    これはおそらくイヌゴマ。これと似たヒメハッカという植物を探しているのだがなかなか見つからない。


    ヒメナミキに葉も花も良く似ているが・・・


    花には薄紫色の斑点が無い。白い花もあるのか?

 ヒメハッカの他にミソハギという花も探していたのだが、残念ながらこの日の散策では発見出来なかった。湿地や用水路、あるいは湖の周辺に咲いているのではないかと思う。また探しに来てみたいと思う。

    
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ヒシの花が咲き出した  令和4年8月9日

2022年08月11日 | 山梨百名山
 ヒシが生育する河川の近くに出張があったので立ち寄ってみた。ミズアオイもそろそろ咲き出しているかと思ったのだがまだ全く咲いていない。


    ヒシがたくさん生育している河川


    アメリカミズキンバイの黄色い花が咲いている。


    アメリカミズキンバイ。ミズアオイは葉だけで花はまだ見当たらない。


    アメリカミズキンバイの黄色い花。葉は根元がやや広くて柄がない。


    本日の一番の目的はこの草。たぶんこれが昨年から持ち越している課題のウスゲチョウジタデ。


    葉は細長い披針形で短い柄がある。花はまだ咲いていない。今年はこの花を良く調べてみたい。


    この草がだいぶ増えたように思う。


    葉腋に赤っぽい蕾を対生して付けている。葉は対生し根元が幅広くなり半分茎を抱いている。これは外来種のアメリカミソハギか?


    ここに生育しているのは葉の幅が広いクワイばかりかと思っていたが細いのもあった。


    葉先が尖っており、これはオモダカであろう。


    群生するヒシの葉


    これだけたくさん生えるのだからたくさん花を咲かせそうなものだが、以外と花は小さくたくさんは咲かない。


    ヒシの小さな白い花。まだ咲き始めのようである。

 昨年この花の存在を知ったウスゲチョウジタデであるが、確認に出かけた頃にはもう花が散ってしまっていた。散った後の花や実の形からウスゲチョウジタデでほぼ間違いないだろうと思っているのだが、今年はなんとしても花を確認したい。花床に毛が生えていればウスゲチョウジタデで確定である。ミズアオイが咲く頃に再訪してみたい。

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ツル性の植物を探しに丹沢・道志山系の山へ  令和4年8月7日

2022年08月10日 | 山に咲く花
 7月ごろから行きたいとは思っていた場所であるが、登山口までのアクセスが遠いうえに長い距離を歩かなければならず、暑い時間帯を出来るだけ避けるには早朝に登り始める必要がある。そこで今回は前日から車中泊して登る計画を立てた。泊まり慣れている山中湖のきららに行ったところ、湖上祭のコンサートか何かをやっているらしく、駐車場はすべて予約になっていて入れない。ならば別の場所にということで、道志の道の駅まで移動して寝ることにした。夜8時に睡眠薬を半錠飲んだが寝付けずさらにもう半錠飲んだら今度はぐっすりと眠れ、7時間ほど寝て起きたのは朝の5時だった。登山口に移動するが霧雨が降っていて少し待ってみるがあまり止みそうもない。カッパを着て朝6時に出発する。


    探しているのはこんな感じのツル性の植物だと思うのだがまだ見たことが無く、大きさが良く分からない。


    白い花が咲いているツル性植物があった。


    これはイケマであろう。


    ヤマノイモ科の植物であろうが、何だか良く分からない。葉が互生し幅が広い。


    オニドコロではないかと思う。


    途中のピークには三角点があった。休憩するが、小バエのような虫の大群に襲われゆっくり休んでいられない。


    マルバタケブキがあちらこちらに咲いている。


    山頂近くになると傾斜がきつい。


    明るい山頂に到着。会ったのは一人だけだった。昼食をとるがまたまた虫がたくさん寄って来る。


    山頂に咲いていたマルバタケブキにアサギマダラが吸蜜にやって来た。


    ヒロハヘビノボラズが生えていた。


    これはツノハシバミの木であろう。


    角の生えた毛むくじゃらの実が成っていた。


    ヤマタイミンガサがたくさん生えている。鹿の食害はまだあまり受けていないようである。


    ガンクビソウが登山道脇に結構生えている。

 探していたツル性の植物はあまり数が多く無く、登山道脇で時々見かける程度だった。7月初旬には咲き始めているらしいが、花の時期が長く8月中旬まで咲いているらしい。今回も良い状態の花が見られたのだが、風通しの良い薄暗い森の中を好んで生育しており、風に揺れてなかなか写真を撮らせてくれずかなり苦労した。


    登山道脇に突然現れたこのツル性の植物。


    ツルガシワという山梨県ではあまりお目にかかれない植物。


    これが一番の群生で、時々見かける程度である。


    根元の葉が大きく先に行くほど小さくなる。


    薄暗くて風通しの良い森の中を好んで生育している。


    葉は対生し、葉腋に固まって花を付ける。


    ツル性植物だが、草や木に絡んでいるわけではない。


    ツルガシワの花


    風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


    Iso感度を640まで上げて、やっと撮影してこの程度。

 花仲間から情報をいただいてやっとこのツルガシワに出会うことが出来た。思ったより個体数は少なかったが、鹿の食害は受けていないようである。もともと数が少ないのであろう。撮影に多大な時間を要したこともあるのだが、往復で9時間もかかってしまった。

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キツネノカミソリとオオキツネノカミソリ

2022年08月09日 | 花・花・花
 キツネノカミソリとオオキツネノカミソリの花の違いをここで整理しておきたいと思う。

 まずはキツネノカミソリ。



    令和2年8月22日 石空川(いしうとろがわ)渓谷で撮影したキツネノカミソリ
 
 雄しべは花弁より短いか同じくらいの長さで、花弁の中にほぼ収まっている。




    令和4年8月6日 朝霧高原で撮影したキツネノカミソリ

 雄しべは花弁と同じくらいの長さか、やや短く、ほぼ花弁の中に収まっている。この場所に咲いているキツネノカミソリは花自体が小さ目だった。

 次にオオキツネノカミソリ。



    令和2年8月16日 塔岩川(とういわがわ)で撮影したオオキツネノカミソリ

 雄しべは花弁より長く、花弁の外に飛び出している。花はやや大き目でゴージャスに見える。




    令和4年8月5日 兜山の渓谷で撮影したオオキツネノカミソリ

 上と同じく、雄しべは花弁の外に飛び出している。

 そして問題の北杜市で撮影したもの。




    令和4年8月2日 北杜市で撮影

 雄しべがやや短い個体もあるのだが、おおむね花弁よりも雄しべが長く花弁の外に飛び出している。これはオオキツネノカミソリとするべきであろう。

 見比べてみると違いが分かって来るが、判別が難しいものもあるように思う。オオキツネノカミソリはキツネノカミソリの変種とされており、きっちりと分けられないものがあってもおかしくはないのではないかと思う。葉の大きさにも違いがあって、キツネノカミソリの葉は細くてヒガンバナと同じくらいの幅、一方オオキツネノカミソリはスイセンの葉と同じくらいの幅をしている。いずれも春先に葉を出すが花を咲かせる8月ごろには枯れて葉を観察することは出来ない。葉を見るには5月か6月ごろが適しているのではないかと思う。


    キツネノカミソリ


    オオキツネノカミソリ


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キツネノカミソリを観察に行ってみる 朝霧高原  令和4年8月6日

2022年08月08日 | 里に咲く花
 キツネノカミソリとオオキツネノカミソリの違いがいまひとつスッキリしていない。先日北杜市でキツネノカミソリだと思って観察してきた花はどうにもオオキツネノカミソリのような気がしてならない。では、本物のキツネノカミソリを見に行ってみようと思う。朝霧高原の静岡県側に花は確認していないが葉の群生を確認しているキツネノカミソリの生育地があるのを思い出した。葉は曼珠沙華(ヒガンバナ)と同じくらいの幅で、キツネノカミソリで間違いないはずである。数年ぶりにその場所を訪れてみる。


    フシグロセンノウが咲いている。


    もうそろそろ終盤である。


    キツネノカミソリが咲いている。


    蕾もあればもう終わっている花もある。


    オオキツネノカミソリに比べるとひとまわり花が小さい。


    雄しべの長さは花弁と同じくらいか、やや短めで、花弁から外には飛び出していない。


    もっとたくさん咲いているのを期待していたのだが、だいぶ草が茂って飲まれてしまったようである。


    良い状態の花を見ることが出来た。


    ウバユリが咲いている。


    ウバユリの花。中で虫が雨宿りしているようである。


    赤い実をつけたトチバニンジン

 先日山梨市で観察してきたオオキツネノカミソリに比べるとここに咲いているキツネノカミソリは小型で雄しべの長さは花弁から外には飛び出していなかった。これと見比べる限りでは北杜市で見たものはオオキツネノカミソリとしたほうが良いのではないかと思う。

 もう1ヶ所立ち寄ってみる。


    小さな白い花が咲いている。


    ハクウンラン


    今年はそれなりに咲いてくれたようである。


    たくさん花を咲かせているハクウンラン


    こちらは軸が茶色いタイプのハクウンラン

 ちょうど見頃のハクウンランに出会うことが出来た。個体数は決して多くは無く、例年とあまり変わっていないのではないかと思う。

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今度はオオキツネノカミソリ 山梨市  令和4年8月5日

2022年08月08日 | 里に咲く花
 北杜市のキツネノカミソリの群落は凄かった。今度は山梨市の渓谷沿いに咲くオオキツネノカミソリと思わしき花を見に行ってみる。この日も暑く風が無くてあまり歩こうという気にはなれない。短絡して渓谷の途中から谷に下りて現地に行ってみる。


    神社の脇に車を止めて短絡して渓谷に入る。


    オオキツネノカミソリと思わしき花が咲いている。もう少し終わりかけている。


    昨年に比べると少し少な目である。


    たぶんオオキツネノカミソリで間違いないと思う。


    雄しべが長く、花弁の外に飛び出している。


    しかしこの花、先日北杜市で見たキツネノカミソリとそっくりである。


    渓谷の脇に咲いたオオキツネノカミソリ


    本日一番の群生


    オレンジ色の美しい花


    渓谷の中は水量が少ない。


    しかも風が吹かず暑い。


    岩に付いていたノキシノブの仲間


    長くて先が尖っている。たぶんナガオノキシノブ。


    渓谷から抜け出して林道を歩いていると変わったサンショウの木を発見


    葉の間にひれがある。これはフユザンショウだ。


    やや大型のシダ。ホソバナライシダに似ているがちょっと違う。


    やや珍しいシダ、サクライカグマであろう。

 1時間ほどの散策で服まで汗だくになってしまった。時間はまだ早いが本日はこれにて撤退。

 しかし、ここに咲いているのはオオキツネノカミソリと見て間違いないであろうが、先日北杜市でキツネノカミソリだと思って見てきたものは本当にキツネノカミソリなのか?画像を見直してみると雄しべが長いものがほとんどで花弁の外に飛び出している。あれはオオキツネノカミソリではないだろうか?他の場所に咲いているものも見てきて比較してみなければならないであろう。

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こんなところにヒナノキンチャクが・・・ 北杜市  令和4年8月3日

2022年08月06日 | 山に咲く花
 北杜市で珍しいシダが生育しているとの情報をいただき、探しに行ってみた。それなりに場所は聞いていったつもりだったが探し方が悪いのか発見出来なかった。しかし、周辺を探してみると他の珍しい植物にいくつか出会うことが出来た。


    シデシャジンが咲いている。


    オウレンシダは大きくなると葉の切れ込みが細かくなり、別物のように見える。


    ちょっと珍しいシダ、ヌリワラビ。


    三日月型のソーラスは裂片の中央寄りに付く。


    鱗片はこげ茶色であまりたくさんは付かない。

 水路の周辺をだいぶ歩いてみたが目的のシダは発見出来ず。山梨県では3ヶ所目の自生地となるコタニワタリが発見されたらしいが確認出来なかった。

 河川敷に下りてみる。ひょっとしたら探しているカワラニガナがあるのではないかと思ったのだが発見出来ず。しかし驚きの花が咲いていた。


    河川敷に下りてみる。


    フジアザミ


    カワラヨモギは結構生えているがまだ小さな葉のものが多かった。


    たくさん生えているのがこの外来種のビロードモウズイカ。河川敷はどこに行ってもこの花が多い。


    これも外来種のブッドレア。この外来種2種類は増殖力が強く、植生を変えてしまうのではないかと心配である。


    たぶんカンガレイではないかと思う。


    花に茎が無い。


    こちらはホタルイではないかと思う。


    果胞になりかけている。


    アカバナと思われるが・・・


    こちらは葉が赤くて細く見える。これはトダイアカバナの可能性がある。花の時期に再訪してみたいと思っている。


    イヌドクサ。河川敷には普通に生えていることが分かってきた。


    驚いたのがこの小さなピンク色の花を付けた植物。


    これはヒナノキンチャク。


    こんなところで出会えるとは驚きである。


    それなりの個体数があるのも確認出来た。


    帰り道の草むらでこれまた驚きの花に出会った。


    オレンジ色の鮮やかな花、ヒオウギ。山中湖近傍の山でも見たことがあるが保護対策のためにネットが被されていた。


    なのでまともに花を見るのは初めてである。花が終えた後はくるりと巻いているのが面白い。


    鮮やかなヒオウギの花

 かつて北杜市の河川敷にヒナノキンチャクが咲いている場所があったという話は聞いているがこの場所では無い。今回は新たに見つかった場所ということになるのではないかと思う。あまり期待していなかった河川敷であるが驚きの出合い、そしてトダイアカバナらしきものも発見し、確認のため再訪する必要がありそうだ。

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イトモの花は確認出来ず  令和4年8月3日

2022年08月05日 | 水辺に咲く花
 イトモと思わしき水生植物を確認している池であるが、何度か通っているもののまだ花を見ていない。たぶん咲いているのではないかと思う。猛暑を避けて朝の涼しいうちに・・・と思っていたのだが目を覚ませばもう7時を過ぎている。到着したのは10時になってしまい、既に気温は30℃近くある。


    雨が降らず、水量が少ない。


    コケオトギリがたくさん咲いている。


    コケオトギリの花


    アゼナの仲間と思っていたがヒメナミキ(シソ科タツナミソウ属)という花らしい。


    近隣の都県では絶滅危惧種に入っているがこの池の周辺には普通に生えている。


    唇弁に薄青色の斑点が入るのが特徴。


    イトモと思わしき水草が生える池。水量が少なくイトモの一部は干上がってしまっていた。


    葉が水面に出てしまっているイトモ


    花を探すが・・・見つからない。


    白い球のようなものが水面にあるが・・・花では無いようである。


    これは落下してきた木のゴミか?


    この白い球も花では無さそうである。


    双眼鏡と望遠レンズを使って再三探したが、とうとう咲いている花にはお目にかかれず。

 花が確認出来ればイトモであると確信できたであろうが、残念ながら花は見当たらなかった。水量が少なく今年は条件が悪かったかも知れない。


    別の池を訪問してみる。ヒメマツカサススキはまだ花穂を伸ばしていない。


    別の水草を発見した。


    イトモに比べて葉が短く枝分かれが多い。これはタヌキモではないかと思う。

 新たにタヌキモと思わしき水草を発見した。花を咲かせているところが確認出来れば確定できる。見たかったイトモの花が見られずがっかりしていたところだったが、また新たな発見があった。再訪してみる必要がありそうだ。

 
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