この本は、関東学院大学生涯学習センターの公開講座「平和について語る4女と男の平和学ー男女共生社会をめざして」(2008年11月~12月)でおこなった5回の連続講義を基にして編纂されたもの。
講義1は、「アキハバラ事件と男の暴力」。講義2は、「視覚メディアと性暴力的表現」。講義3は、「戦争と『女ことば』」。講義4は、「人身取引される女性たち」。講義5は、「日本軍『慰安婦』制度と米軍の性暴力」。
「ジェンダー」という言葉は、社会的、文化的に作り出された性差、性役割、男はこうある(べき)もの、女はこうある(べき)ものといった規定・規範等を指す言葉。そのことと平和・戦争との絡み合いを中心にして講義が進められている。講師は専門が哲学、社会学、政治学や言語学であったり、あるいは弁護士など、様々な角度からの講義集。
それぞれ興味深く、深刻に考えなければならない課題を含む内容だったが、特に関心を持ったのは、講義1と講義3についてである。
たしかに凶悪な無差別大量殺人は、日本でも、欧米でも、男性によって引き起こされている。そうした暴力行為に突き進む男の暴力性を軍隊組織(戦闘集団)とからませながら、歴史的視点から分析した内容で、たいへん面白かった。
また、講義3は、国民共通の国語というものの成立が、近代国家(国民国家)の成立・統合、発展には欠かせないものであったことにふれながら、一方で「女らしい」言葉遣いの奨励・しつけが、日本の東南アジアへの侵略戦争とからんで、高貴ある、伝統的「皇室」言葉につながる言葉だという上に立って、強制されてきたことが明かされていく。
他の講義もなかなか現代的な問題点を鋭くついて興味深かった。それぞれの講義のあとには、より詳しく問題点に迫っていくための参考文献も載せられていて、読者に大変親切なものとなっている。
講義1は、「アキハバラ事件と男の暴力」。講義2は、「視覚メディアと性暴力的表現」。講義3は、「戦争と『女ことば』」。講義4は、「人身取引される女性たち」。講義5は、「日本軍『慰安婦』制度と米軍の性暴力」。
「ジェンダー」という言葉は、社会的、文化的に作り出された性差、性役割、男はこうある(べき)もの、女はこうある(べき)ものといった規定・規範等を指す言葉。そのことと平和・戦争との絡み合いを中心にして講義が進められている。講師は専門が哲学、社会学、政治学や言語学であったり、あるいは弁護士など、様々な角度からの講義集。
それぞれ興味深く、深刻に考えなければならない課題を含む内容だったが、特に関心を持ったのは、講義1と講義3についてである。
たしかに凶悪な無差別大量殺人は、日本でも、欧米でも、男性によって引き起こされている。そうした暴力行為に突き進む男の暴力性を軍隊組織(戦闘集団)とからませながら、歴史的視点から分析した内容で、たいへん面白かった。
また、講義3は、国民共通の国語というものの成立が、近代国家(国民国家)の成立・統合、発展には欠かせないものであったことにふれながら、一方で「女らしい」言葉遣いの奨励・しつけが、日本の東南アジアへの侵略戦争とからんで、高貴ある、伝統的「皇室」言葉につながる言葉だという上に立って、強制されてきたことが明かされていく。
他の講義もなかなか現代的な問題点を鋭くついて興味深かった。それぞれの講義のあとには、より詳しく問題点に迫っていくための参考文献も載せられていて、読者に大変親切なものとなっている。