おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書12「三国志談義」(安野光雅・半藤一利)平凡社

2009-08-17 19:36:06 | つぶやき
 吉川英治の小説「三国志」。高校のころ読んだことがあったが、長じてから、ずっと後に書かれた横山光輝の漫画「三国志」。。長編の漫画で、何十巻あったかしら、次々と買い込んでは私のようないい大人も読んでいた。それからゲームの「三国志」(私はやらなかったが、ちょっとした大人も夢中になっていたそうだ)。こうみると、世代を超えて人気のある物語が、「三国志」のよう。
 本場の中国でも京劇でさかんに演じられる。かつて日本に来た京劇で関羽にまつわるものを観たことが。あの独特の、キーの高い発声と賑やかな音楽と派手な立ち居振る舞いに圧倒されたことをふと想い出した。
 この本は、画家の安野さんが「繪本三国志」の出版記念に企画された、作家の半藤さんとの対談集。 談論風発。お二人の自在な対談が楽しめる。
 現地に取材して中国の悠久の大地に根ざし、栄枯盛衰の時代に目を向けた対話の妙から始まり、歴史観、人物観など時に日本の戦国時代の武将像や明治以降の軍部のあり方など、時空を越えた対談が興味を大いに誘った。
 3世紀に書かれた古い歴史書の「三国志」(正史)そのものよりも、14世紀に書かれた小説の「三国志演義」のほうが一般的にはなじみが深かったらしい。何しろ、蜀の興隆と滅亡の歴史が中心。劉備玄徳や諸葛亮孔明など多彩な登場人物が織りなす、感動のドラマ仕立てだから。三国のうち、魏や呉は旗色が悪かった。お二人は、それをふまえた上で、教養豊かな三国志論を語り合っている。それでいて、コンパクトに仕上がっている。安野さんの絵も、小さいながらいくつも紹介されている。味わい深い絵の数々。・・・
 こうした物語に登場する、中国の人間と大地の間をじっくり旅したいと思いつつも、果たせない今日この頃である。
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