Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ポリコレ解釈されたムソルグスキー(1)

2022年11月22日 06時30分48秒 | Weblog
ペラ『ボリス・ゴドゥノフ』オペラトーク
 「開場25周年記念公演としてポーランド国立歌劇場との共同制作により世界初演される『ボリス・ゴドゥノフ』のオペラトークを開催いたします。
ゲストにロシア文学者でオペラにも造詣の深い亀山郁夫氏と現代ロシア事情に精通した佐藤優氏を迎えます。指揮を務める大野和士オペラ芸術監督との鼎談で繰り広げられる熱いトークにどうぞご期待ください。
さらに、『ボリス・ゴドゥノフ』で本役・カヴァーを務める豪華歌手陣の演奏による作品紹介も。こちらもご期待ください。


 オペラトークにも行きたかったのだが、スケジュールが合わず行けないまま本番を観る。
 1869年のオリジナル版は、「ヒロインが出てこない」という理由で上演を拒否された。
 このため、1872年版にはポーランドのシーンが加えられ、「愛の二重唱」が出て来るそうである。
 オペラトークの末尾付近で大野監督が述べているとおり、このシーンは、本公演では2つの理由でカットされたそうである。
 一つは、ポーランドのくだりを入れることは、ムソルグスキーの本意ではなかったということである。
 もう一つは、ポーランド国立歌劇場との共同制作であり、この後ポーランドで上演される予定であるところ、「・・・ポーランドシーンをまじえてやることは、非常に難しい選択となるであろう・・・」という、政治的な理由である。
 私見では、ボリス・ゴドゥノフの内心の葛藤にフォーカスするのは大正解という印象なので、この選択はよいと思う。
 ちょっと気になったのは、「愛の二重唱」というところでの、大野芸術監督のやや蔑みを含んだ笑みである。
 実は、彼はイタリアオペラを軽蔑しているのではないかという気がした(立場上、そんなことはおくびにも出せないのだろうが。)。
 例えて言うならば、(内心は)「アンチ巨人」のプロ野球のコミッショナーのようなものか。
コメント
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