Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

こうでなくてはならない

2022年11月01日 06時30分38秒 | Weblog
【秋公演「ガラスの靴」】
 「振付作品を創作するにあたり、いつも気にかけている事があります。”こうでなくてはならない”という考えです。これは定着している考え方やイメージ像、ストーリーやキャラクター、振付や演出など様々なものに言えることです。
 「どうか皆様も”こうでなくてはならない”という考えを一度取っ払って、楽しんでいただけましたら幸いです。」(公演フライヤーより)

 振付家:宝満直也氏の、フリーになってから最初の全幕バレエ(のはず)。
 「シンデレラ」にはいくつものバージョンがあるが、おそらくフレデリック・アシュトン版が最も有名で(フレデリック・アシュトン版バレエ「シンデレラ」あらすじとみどころ解説)、シンデレラが妃として迎えられるという結末である(ちなみに、個人的には、「白馬の王子」が最後まで登場しないヨハン・コボー版(トゥーシューズとスリッパ)が印象深い。)。
 「ガラスの靴」は、フランス?の、ある人気ブティックが舞台である。 
 エラ(シンデレラ)は、オーナーのガブリエラ夫人に孤児院から引き取られ、ゴーストライターならぬゴーストデザイナーとして働いている。
 そこを訪れた貴婦人のはからいで、エラはコレクション・パーティーに参加することになり、そこでスーパースターに出会うというストーリー(但し、エラがスーパースターと結ばれる結末ではない)。
 つい先日、同じコンビ(秋山瑛さん&秋元康臣さんによるニキヤ&ソロル)で「ラ・バヤデール」を観たのだが(エコな演出)、全く違うシチュエーションで、しかも秋山さんは髪をおろしているので、別人のようである。
 主役の二人以外では、ガブリエラ夫人を演じるブラウリオ・アルバレスさんの怪演(顔芸を含む)が光り、また、退団又は引退したダンサー(高岸直樹さん、川島麻実子さん、八幡顕光さんほか)のオーラが際立っている。
 やはり、現役のダンサーとは意気込みが違うようだ。
 さて、芸術家に限らず、およそ仕事をする人間であれば、”こうでなくてはならない”という発想から時々抜け出す必要があると思う。
 ところが、これと反対のことに終始して、”こうでなくてはならない”を強要する組織(特に大企業などの官僚主義的組織)のなんと多いことだろう。
 退団又は引退したダンサーのパフォーマンスが光るのは、この種の「組織の束縛」から解放された状態にあるからかもしれない。
コメント
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