Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

コンサートは生きている

2022年11月07日 06時30分00秒 | Weblog
マルティン・ガルシア・ガルシア ピアノリサイタル
 「ショパン:
  4つのマズルカ Op. 33
  舟歌 Op. 60
  「24の前奏曲」より Op. 28-13、Op. 28-3、Op. 28-2、Op. 28-14
  ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op. 35 「葬送」
  ラフマニノフ:
  楽興の時第3番 ロ短調 Op. 16-3
  楽興の時第2番 変ホ短調 Op. 16-2
  ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 Op. 28


 鼻歌(鼻歌協奏曲)と全身を左右に揺らす奏法が印象的なガルシア・ガルシア氏の今年2回目の来日ツアー。
 曲目はショパンとラフマニノフで、これなら丸山眞男先生から「盛り合わせ音楽会」という批判を受ける心配もない。
 前回のツアーの印象から”パワー系”というイメージを抱いていたのだが、前半のショパンは感情豊かで、比較的おとなしめである。
 ところが、意外なところで事件が起こった。
 予想できないことだったが、Op. 28-14で、ピアノが生きている猛獣のように暴れ出したため、私は恐怖を覚えたのである。
 こういう”震撼させられる”現象は生のコンサートだからこそ起こるのであって、CDでは決して体験することが出来ない。
 過去の例で言うと、東京・春・音楽祭2019「15周年記念ガラ・コンサート」の「歌劇 《オテロ》 第2幕より オテロとイアーゴの二重唱 <神にかけて誓う>」でのペーター・ザイフェルトの歌唱がまさしくそうだった。
 歌が終わった瞬間、会場の聴衆の殆どが立ち上がり、拍手とブラヴォーの嵐がしばらくやまなかったのである(東京・春・音楽祭 15周年記念ガラ・コンサート(4月12日、東京文化会館 大ホール))。
(ちなみに、後でこの映像をストリーミングで視てみたけれど、生の迫力は殆ど伝わらなかった。)
 ところで、ガルシア・ガルシア氏は、自分のことを、楽譜を忠実に解釈する演奏家だと考えているらしい。

マルティン・ガルシア・ガルシア、大胆な演奏の裏に精密な分析「音符なぞるだけではダメ」
 「そのショパン演奏は、典型的なショパンのスタイルとはかなり異なる。強弱の振幅が大きく、大胆なテンポやフレージング(歌い回し)を多用する。「『典型的なスタイル』とは何を指すのでしょう? 皆、他人の演奏ばかり気にして、実体のない空虚な様式を作り出している。僕はあくまで楽譜に書いてあることを信じます」と断言する。
 
 だけど、鼻歌のことは、楽譜には書いてないと思うぞ。
 
コメント
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