Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

神話に非ず

2022年11月25日 06時30分03秒 | Weblog
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 「神話は範型(チャーター)となる話一般のことであり、日常的な事件を語る語と緩やかに区別されている。後者も範型となりうるから区別は相対的である。これに対して、多くのヴァージョンを校合したりしてチェックし本当かどうかを疑えば、範型たるをえなくなるから、その話は神話ではなくなり、残余のみが神話となる。ギリシャでは非神話化が徹底され、方法的に絶対範型たりえない話がまさに範型たりえない話として人々の記憶に刻まれた。これが文芸である(われわれにとっては「ギリシャ神話」であるが、実は非神話である。)。」(p16)

 だいたい、ゼウス(ジュピター)が浮気性のとんでもない男で、その妻ヘラ(ジュノー)はヒステリックで皺を気にしたりするおばさんなのだから、ギリシャの神々は日本人がイメージする”神”ではない。
 こうした「非神話化」の極致が、おそらく「天国と地獄」だろう。

《二期会創立70周年記念公演》 東京二期会オペラ劇場 天国と地獄
 「ジュピターは大の女好き。ユリディスをひそかにものにしようと企んでいたのだ。彼はハエに姿を変えて、退屈するユリディスの部屋に忍びこむ…。そこへオルフェも到着…。ハエに姿を変えてユリディスを誘惑するジュピターに怒るプルート。天国と地獄の面々入り乱れての乱痴気騒ぎ。さて、どうなることやら…。

 ハエの姿となってユリディスと歌うジュピター・・・。
 それにしても、こういうオペレッタで輝く渡邉公威さん(ブルート)や又吉秀樹さん(ジュピター)といった歌手の皆さんたちは、「非神話化」にとって貴重な存在である。
コメント
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