Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

周回遅れ(4)

2022年11月12日 06時30分02秒 | Weblog
 「新しい自由な社会」の担い手はいわゆる「知的階層」であって、”政治家”ではない。
 その理由は、(世界的な傾向であるが)「政治的階層」の育成(又は再建)がうまくいっていないからであり、日本について言えば、「政治的階層」の発生を阻止するシステムが厳然として存在するからである。

憲法の土壌を培養する 木庭 顕「政治的階層と知的階層」
 「政治的階層を構成するのは、自らの経済的基盤をめぐる(ギリシャ・ローマ風に言えば領域の)問題を深く考察する人々であり、政治的決定の多くは経済の問題の解決を目指すものであった。
 さて、経済ないし領域の問題を含めてそれを解決するために、直接の利害関係を超越する、というのであるから、彼らは塊にならず、追従せず、一人一人独自の省察を遂行している、つまりその意味で自由である、ということが条件となる。利益は必ず集団と共にあり、塊になるということは利益に縛られることを意味するからである。すると厳密な意味の個人を、それも複数、(少数であるとそこにまた共同体が出来てしまうから)相対的に多数、調達する必要がある。つまり彼らが階層として社会の中に具体的に存在していなければならない。
」(p283~284)
 
 日本の”政治家”の現状を見れば、「政治的階層」が成立しない原因はすぐに分かる。
 もし私が「政治家コンサルタント」であれば、政治家志望の若者に対しては、次のようなアドバイスをするだろう。

 「政治家になるためには、杉村太蔵(元)先生のような極めて幸運な方は別として、政治家の子(養子)になることが必要です。

 どこかで聞いたようなセリフだが、日本で”政治家”になるためには、先祖代々大きな資本(地盤・看板、鞄)を有してきた集団=イエに帰属して自らの自由を放棄することが必要なのである。
 これを実行する人も多数いて、その代表例が現在の法務大臣(葉梨康弘氏)である。

葉梨法相「死刑のハンコ押しニュース、地味な役職」…パーティーで「法相はお金集まらない」
 「葉梨氏は「外務省と法務省は票とお金に縁がない。外務副大臣になっても、全然お金がもうからない。法相になってもお金は集まらない。なかなか票も入らない」とも発言した。

 政治家の養子となってそのイエを受け継いだ彼は、その一族と支持基盤=集団(塊)のために「お金」を必要としているようである。
 しかも、この種の人たちが”政治家”の圧倒的多数を占めているのが日本の現状なのである。

コメント
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