Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

安楽椅子派の聖地巡礼(2)

2023年10月27日 06時30分00秒 | Weblog
 「聖地巡礼」と言うからには、当然のことながら、小説の舞台がどこであるかが問題となる。
 これについては、小説の記述に基づき、比較的容易に「横浜市中区、西区、神奈川区及び金沢区」と特定出来る(磯子区も出てくるが、通過するだけなので割愛した。)。
 次に、小説の時代設定が問題となる。
 ところが、これは、小説を読んだだけでは特定するのが難しい。
 そこで、この小説の成り立ちについて、「安楽椅子」に座ったまま調査することとなる。
 キー・パースンは、当時、講談社文芸第一出版部長であった川島勝氏である。
 川島氏は、この小説を企画段階から担当していた編集者であり、「三島由紀夫」(文藝春秋社)によれば、横浜への“取材旅行”は、昭和37年の春から夏の終わりにかけて、3回に亘って行われたという(p193)。
 1回目は、「外人墓地や山下公園、港町の路地裏や、引き込み線のある倉庫街、元町や中華街など」であり、2回目は、「舞台となる元町の洋品店を中心に市街や海岸通りをくまなく歩いた」。
 3回目は、川島氏の同僚の松本道子氏の弟の松本秀氏が船会社に勤務しており、その紹介で横浜港に停泊中の三井船舶の貨物船「日光山丸」(517トン)を取材出来ることになった。
 以上によれば、この小説の時代設定は、「昭和37年ころ」ということになる。
 かくして、「安楽椅子派」は、昭和37年当時の、横浜市中区、西区、神奈川区及び金沢区に存在する「聖地」をピックアップする作業に移る。
 この小説で「聖地」と呼ぶのにふさわしいスポット(あくまで私見)は、登場する順番に挙げると、
① 黒田邸
② 舶来用品店「レックス」
③ 高島埠頭・E岸壁
④ 「ニュー・グランド・ホテル」
⑤ 山内埠頭、市営プール
⑥ 杉田の乾船渠(乾ドック)
となる。
コメント
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