「「空中結像技術(AIRR)」はVRゴーグルなしで仮想現実空間を再現する最新技術。
このAIRRや様々な最先端技術を駆使して舞台上で表現するのはSF漫画の金字塔「攻殻機動隊」。
アニメ、小説、ハリウッド映画、ゲームなどジャンルを超えてリメイクされ続けている伝説的作品を、能という日本古来の世界観で新解釈。
世界初とも言える技術と日本の伝統芸能の高次元なレベルでの融合。
各分野のトップランナー達が揃い、能舞台とAIRRが生み出す唯一無二の体験を創り出す。」
このAIRRや様々な最先端技術を駆使して舞台上で表現するのはSF漫画の金字塔「攻殻機動隊」。
アニメ、小説、ハリウッド映画、ゲームなどジャンルを超えてリメイクされ続けている伝説的作品を、能という日本古来の世界観で新解釈。
世界初とも言える技術と日本の伝統芸能の高次元なレベルでの融合。
各分野のトップランナー達が揃い、能舞台とAIRRが生み出す唯一無二の体験を創り出す。」
世阿弥の「夢幻能」と、「空中結像技術」と呼ばれる最新技術を融合させた、新しい芸能・芸術作品。
「攻殻機動隊」を素材にしたのは、従来の「夢幻能」が過去の人物・事象を描いていたところを転換し、あえて未来の世界を対象としたということのようである(このチョイスについて、亀井広忠さんは、「素子さんが他と融合する場面はまさに『井筒』だな」と評している。)。
「ゆめ・まぼろし」が「空中結像」として立ち現れるのは新鮮であり、これは成功しているというほかない。
これは「葵上」なんかピッタリじゃなかろうかと思っていたら、既に制作されていた!
「オーロラ姫の誕生日。婚約者候補の王子たちの中にデジレの姿を見つけた姫は、森で会った時とは別人のような彼に戸惑う。カラボスに操られている王子は危険な魅力で姫を惑わし、死へ導いてしまう。やがて呪いが解け、自らの行いを悔やむ王子。姫を助ける術はあるのか、果たして……。」
世界初演の熊川版「眠れる森の美女」。
斬新なのは、王子が姫を殺してしまう(!)ところ。
それにしても、オーロラ姫:岩井優花さんは初々しく、かつ上手い。
ダンス・演技・表情全てが、これまで観た中で最高という気がする。
舞台・衣装も新しく、けばけばしさのない清潔感のある仕上げで好印象。
これならまた観たいという気がする。
・・・ところで、「魔法や薬の影響で責任能力を喪失した登場人物が、悪者に操作されて殺人などの犯罪を実行する」という”間接正犯”形式のストーリーは、ワーグナーが大の得意とするところである。
今回の「眠り」は、「熊川ディレクターの『ワーグナー化』」を示す作品と言えるのではないだろうか?
来年辺りは、「指環」がバレエ化されているかもしれない。