パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

ビートルズ三昧(三枚)

2015年07月04日 20時14分38秒 | 音楽

雨模様の一日
晴耕雨読ではないが、朝ブログにアップしたとおり
ビートルズのLPを引っ張りだして聴いてみた

MEET THE BEATLES~ラバーソウル~ホワイトアルバム(1枚目)
一気に聴いてしまった
こんなにまじめに聞くのは久しぶりだがとても興味深かった

最初の MEET THE BEATLES
抱きしめたいから始まるが
「あれ、ポールってこんな声だったっけ? 」
これは一番の驚き、
もっと柔らかなふんわりした声を予想していたが
この頃は一直線で少し低めの声でパワフル

ビートルズはロックバンドというのが如実にわかるアルバム
同時に素晴らしいコーラスグループ
ということもよく分かる
このアルバムは演奏時間の短い曲が多い
全部が一気呵成、ノリノリであっという間に時間が過ぎていく
それは若さの勢いといえるかもしれない
その中でALL MY LOVINGは今聴くと少し異質な感じがする
それはこの曲だけ曲としてのクオリティが違うような気がしたからだ
もっとも他にもいい曲は、有名な曲はある
しかし、ひっそりと佇みながら確かな存在感の曲といった風情

この頃は確かにジョン・レノンが中心のグループという印象が強い
衝動的な表現意欲に襲われてつくり上げるジョンの曲は
若さゆえのアイデアに満ちてとても迫力がある
ポールも良いバックアップをしている様子
しかし、ジョンは勢いに任せた音楽が出なくなった時
きっと困るだろうなともフト感じてしまった
この中にも最初はいいが途中でアイデア不足というか
メロディが効果的に続かないと思われるところが(自分にとって)
感じられた

ラバー・ソウル
やっぱりポールの声は想像と違う
このアルバムは野心的な試みがいろいろ行われて
歌を聴いているだけでなくバックの音を聴いていると楽しい
GIRLのマンドリンのようなギターの音と歌のメロディとの
対位法的な(?)絡みはとても効果的で思わずゾクッとする

有名なノルウェーの森はシタールの音色が面白く、少し沈んだ気分いなるが
その次のYOU WON’T SEE MEで
あっという間に世界観が変わって刹那的な歌の快感が感じられて
やっぱりポールの曲が好きだと感じてしまう
学生時代にアン・マレーだったかがこの曲を歌ってた気がするが
これも好きだった

ところでビートルズ全曲解説には、IN MY LIFEはポールの曲と書いてあったが
これは少し疑問
大概は歌っている方がつくったというのが間違いのない判断
(歌っているのはジョン)
それだけでなく、この曲のテイストはポールじゃないと思うが、、

ホワイトアルバムの一枚目
最初のBACK IN THE USSR 
初めてお馴染みのポールの声 しかも何故か自信たっぷりの感じ
このアルバムは先程のラバー・ソウルにもまして
バックの演奏・効果音をきくのが楽しい
それはバンドとかロックとかの粋を超えて単純に音楽として楽しい
(もっともその行き方に疑問を感じる人もいるだろうが) 

2曲めのディア・プルーデンスあたりからポールのベースが雄弁になっていく
ベースに的を絞って聞くだけでも面白い
とにかくバックの音が余りにも充実しているので興味は尽きないが
クラプトンが参加したジョージの名曲も
最初のピアノとベースとドラムがとても印象的で
これから始まる曲への期待を誘う

ホワイトアルバムは個々が勝手につくったみたいなことを言われるが
どうしてどうしてバンドとして合わせたりコーラスをあわせたりすると
やっぱり凄いというか音楽性が高い

このホワイトアルバムは先の二作よりはポールの印象が強い
好き嫌いはあるかもしれないが一皮むけた感じ
アイデアが次々に噴出、やりたい放題、、(でも 落とし穴が、、、)

でもジョンはシンプルにしたかったのかもしれない
(ジュリアはアコースティックギターだけ)

こんな風に少し振り返り気味に聴くと
今でも通用すると思ったりするが 
現代の若者は既にビートルズは
古典になっていて面白くないのかな 

 

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ビートルズ全曲解説を読んで、あれこれ考えたこと

2015年07月04日 08時49分42秒 | Weblog

食べ物の美味しさを他人に伝えることは難しい
「おいしい!」
という言葉は個人の主観的な印象に基づくもので
どのようにおいしいかを他の人が理解することは
自分の判断の中で「おいしいんだろうな」
と想像するしか無い
まして「おいしい」ということを表現する語彙は全く少ない 

音楽も似たようなものではないのか
心地よいとか感動したとか
なるほど多くの人が同じような印象を持つから
(話を聞くと)なんとなくみんな一緒のような気がするが
その個々の印象は個人のそれまでの経験が大きく影響するから
簡単に同じ経験・印象とは言えない

そして音楽のことを語るのに、音楽以外の「言葉」を
使ってコミュニケーションすることの難しさがそこにはある

音楽は、多分、音楽家同士なら「言葉」を使わなくても
音楽自体でコミュニケーションできる
 それはまるで言葉を使った会話のように

こんな風にややこしいことをグダグダと連ねたのは
何十年ぶりにこの本を読んだから

1990年に初版、自分が購入したのは3版
半世紀前のこととなる

シングル、アルバムの発売順に一曲ごとに個人の主観を交えて
丁寧に紹介されている
ここで思ったことが最初で取り上げた音楽のことを「言葉」で語る難しさ

ビートルズの音楽は純音楽でないので大半は歌詞がある
そして言葉を用いて音楽を紹介するのには、どうしてもこの歌詞の部分を
大きく取り上げることになる

歌詞の意味、その裏に隠された真意、等など
こうした部分の解説が多い
でも歌詞はデタラメ、いい加減でも音楽がなっている瞬間は
とても幸せな気分にしてくれる音楽も明らかに存在する

そうした音楽のことを、
この厚い本でもやっぱり書ききれていないな 
というのが印象

話は飛躍して(いつものことだが)左利きのタレ目の音楽馬鹿
ビートルズの一員だった彼は
その歌詞があまりにも他愛ないもののせいで
インテリとされる人々から過小評価される

でもモーツァルトのアリアにしたって
その歌詞は意味を追っていくとそんなに深いものではに事が多い
モーツァルトは音楽は音楽だけで評価される 

この評価が今年武道館でライブを行った音楽馬鹿にも
同じようにされているかといえば、、、

この本を読むとポールが音楽的に徐々に進歩していく様子がわかる
そして向いていく方向の違いがそれぞれ違ってきて
解散するのはやむなしといったところも
なんとなく想像がつく
(もっとも解散した後で書かれているので、そのように記述されているかもしれないが)

せっかくだから、今日はLPを引っ張りだして
この本で書かれた部分に注目しながら聴いてみるか! 

 

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