個人の好みの問題と割りきってしまえば、それ以上の話はできないが
好みの問題として片付けるのは惜しい作曲家にブルックナーがいる
今年の4月、グスタフ・クリムトがお目当てではなく
ブルックナーが最晩年に過ごしたということで
訪問したのがベルデヴェーレ宮殿
未完の9番の交響曲を作曲していたところ
ところで、自分のように大好きで仕方ないとは違って
波長が合わないと感じている人たちにとって
ブルックナーの音楽は長くて取り留めがないように感じられているようだ
でもこの時間については、とても不思議な感覚を覚える
ほんとうに長いのか
短すぎるのではとさえ思える時がある
大傑作の8番の第3楽章
この楽章だけで25分くらい
モーツァルトの交響曲なら起承転結で終わっている長さの曲
聴いていると冒頭は何事も起きない
ただ音響が和音が存在するだけ
しかし、何かを考えるというよりその響きに身を委ねると
心のなかにいろんな思いが浮かんでくる
音楽の旋律と言うよりはもっと違うような木管のメロディー
チェロの沈潜した思索的なフレーズ
聴き慣れてこの楽章全体像を知っているものには
この滔々と流れる時間が長いものとは思えなくなる
いやむしろ短か過ぎるような気さえする
それはコリン・ウイルソンが述べたようにブルックナーの音楽は
自然を切り取ったもので、むしろ短すぎるかもしれない
とかいった評論がすごく納得できる
自分にとってこの曲は自然とか時間の流れそのもの
なにか人間的な意志があるわけではない
ただ流れていくだけ
そしていつも恍惚と 時を忘れてしまう
ただし、この大傑作の4楽章は当初
何処に向かうか全然わからなくて、長い!と感じたのも事実
しかし、今はそんなふうに思えない
ブルックナーとマーラー
一時期ブームになった作曲家
人並みに自分もいろいろレコード・CDを収集した
しかし今はマーラーはほとんど聞かない
同様に聴かない作曲家にチャイコフスキーがいる
どうも苦手だ
ブルックナーは後期の傑作群も良いが初期の1番・2番も結構好き
ヴァーグナーが評価した3番よりも2番のほうが好きだ、
バレンボイムが ブルックナーチクルスを日本で行うことになっているが
めったに聴けない1.2.5番あたりを聴いてみたいが
愛知県で聴けるのは1番
2番も聴きたいな