新聞の一面に扱われたり、テレビで特別番組を企画されたりして
浅田真央の引退は大騒ぎになっている
大統領の逮捕とか空爆の話とか、大臣の不用意な(実は本音)発言などの
ニュースよりは心理的に抵抗感はない
しかし、メディアがみんな同じ反応をするのは少しばかり心配だ
もっと大事なことがあるだろう、、と批判するのではなく
みんなが同じということの気味悪さが気になる
メディアは世の空気を読んで、その流れを拡散し、一般人はそれでもって自分は
他の人と同じ感覚を持っていると安心する
大衆とはそういうもので、このような大衆とか市民がいろんな社会的・政治的な問題に
あとから見て正しい判断ができるかどうか、、といった面倒な話は
考える価値がありそうだが今日のところはパス
もう少しお気楽な話を、、、
浅田真央はフィギアスケートのブームの火付け役だった
それ以前にもフィギアスケートが注目されていないわけではなかったが
欧米の手足の長いプロポーションから繰り出される演技と比べて
日本人のそれは少しばかり最初から見た目(め)的にハンディがあった
それが欧米人並みにスタイルのよいプロポーションで難しい技をこなし
しかもその屈託のなさを感じさせるとなれば人気が出たのは無理からぬこと
だがこういうことは不思議と何度か繰り返される
ミスターと言われ、職業に「長嶋茂雄」と書いた人も屈託のない人だった
彼は自分が望んだのか、神様の匙加減かどうかわからないが、とにかく劇的な
振幅の大きい運命を背負っている
鳴り物いりのデビュー戦で4連続三振、初の展覧試合で決勝のホームラン、
前の打者(王さん)がデッドボールで乱闘になった時、気合が乗り移ったようなホームラン
初めて監督就任した時には最下位、次の年には優勝
本当に振幅の大きい出来事が続く
でもこの人が日本のプロ野球を親しみやすいものにしたのは間違いない
三浦知良
50歳の今でも現役でプレイしている信じられない選手
彼がJリーグ(サッカー)ブームの火付け役だったのは間違いない
彼は屈託が無いとは言えないが、彼も振幅の激しい選手生活を送っている
あのドーハの悲劇
Jリーグ草創期の大活躍
そして夢にまで見たワールドカップ、それは彼が日本人に夢ではないと
思えるような段階に持ってきたのに、残酷な出場選手登録の落選
でも彼の人生は続いていく
浅田真央
集大成となるべきソチ・オリンピックでのショートプログラムで
信じられないミスの連発と、その翌日の驚異的な復活
この人も振幅が大きい
ブームの火付け役とか中心人物に対する運命の匙加減は
その時の当人には不可解・理不尽・不条理にしか思えない
時は流れて行く、そして時はその人物が何故その時に現れたのか
をなんとなく理解できるような歴史をつくっていく(多分)
ブームの火付け役とその人達のたどる人生
そういう運命だった!
と一言で済ましてしまうには、ちょっとばかり大変な役割の人達がいるということ
(ご苦労様!)
ところで、自分たちそんな振幅の激しい生き方をしなくて済んでいる
これはラッキーか、それともアンラッキーか
(きっと絶妙の匙加減を誰かさんがしている、、、?)