パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

新城図書館ビブリオバトル

2017年09月17日 08時23分10秒 | 

以前から「読書と登山は似ている」と思っていた
どちらもこちらから働きかけないと楽しみを味わうことが出来ない

読書に関するイベントが昨日新城市の図書館の2階で行われ、足を伸ばした

新城図書館30周年の一連の企画の一つで「新城図書館ビブリオバトル」
会場で渡されたアンケートに、「この企画を知ったきっかけは何か?」
とあったが、あらたまって聞かれると答えに困った
(一体なんで知ったんだろう)

ビブリオバトルとは、自分が他の人にすすめたい本を紹介し(5分間のプレゼンタイム)
それを聞いた会場の参加者が読みたくなった本を投票して順位を決めるというのも
この日の発表者は4人(5人を予定してたらしいが)何処かで見かけたことのある人ばかりだった
緊張する発表ご苦労様、と思うと同時に、この人たちはこんな趣味、好み、指向性があるのか  と
本の内容とは別の興味も湧いた 

この日紹介されたのは「カラスの親指」「郷の原ものがたり」「人間の建設」「ビブリオ古書堂の事件手帳」
5分間の制限時間で、いきなりの発表、大変だろうなと心配したが、すばらしい 
皆さん時間内にキチンと収まった(人間やればできる、、ってことかな)

「カラスの親指」(道尾秀介 著)はハードボイルドの詐欺師の物語
悪人が主役で暗い話になりそうだが、最後の20ページに(40ページだったかな)
どんでん返しがあって、読後感はスッキリしたものになる、、と
発表者のこの本に対する思いはしっかり伝わった

「郷の原ものがたり」は郷土歴史家が残したこの地区のお話
地名のいわれとか、なんとなく知っていること、知らないことがあることを
興味をそそるような話し方で紹介
この発表のオチ(?)は、実はこの本は現在廃刊となっていて、存在するのはこの図書館だけで
しかも一冊だけで貸出が出来ない  だから、興味のある人はここに来て読みましょう
と図書館の来場を促すもの  なるほど、気遣いご苦労様

「人間の建設」は小林秀雄と岡潔の対談の本
紹介する際に壇上におかれた本にはたくさんの付箋があった
この発表者はこの本というより、読書に対する思いが込められていた
「行間を読む」それは想像力や洞察力を磨くことになる
そして、それらを身につけるのはまずは「全集を読む」と良いアドバイス
ところで、小林秀雄は「考えるヒント」「無常ということ」「モーツアルト」などで有名な批評家
岡潔は数学者で、理系文系の二人がそれこそいろんな分野にわたって対談しているとのこと
対談形式だけに読みやすいものになっていると紹介
話しぶりからこの人の日頃の読書量が想像できた

「ビブリオ古書堂の事件手帳」(三上延 著)は映画(ドラマ)にもなった一話完結型のライトミステリー
可愛いイラストの表紙で手に取りやすそうな雰囲気
ところどころに古書に対するうんちくが散りばめられていそうで
そちらの方への興味が湧く 

さてこの4つの推薦図書
一番になったのは、、、自分が推したのとは違うもので
でもそうなんだろうなと納得できる「カラスの親指」
最後のどんでん返しが、、、の訴えが効いたに違いない

ところで、一番残念だったのはこの企画が一番を決めて景品を渡して
お開きになってしまったこと
本好きは、車好きやカメラ好き、鉄道好きなどと同じように
同じ趣味を持つ仲間同士があれこれと語り合いたいに違いないのに(と思う)
もう少し何らかの形で発表者と参加者のざっくばらんな交流タイムが欲しかったな 

ところで、家に帰ってもう一度読みたいなと思ったのは
「美を求める心」
さて、自分は誰を推したか、、、 

 

 

 


 

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