パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

経済学の本、それとも心理学の本(ファスト&スロー)

2017年09月12日 11時48分34秒 | 

ある理由があって読み始めた判断に関する本だが、これがとても面白い


表紙に「ノーベル経済学賞受賞者」との記述がある
しかし、この本って経済学の本なのか?と思われるくらい
心理学的な実験や心理の描写が多い
本のタイトルは「ファスト&スロー」
サブタイトルには「あなたの意志はどのように決まるか?」
ここで言うファストとは、時間をかけずにパッと判断する無意識とか直感のこと
スローとはいったん腰を据えて考える「熟慮システム」のこと

この本の中頃に(アメリカで)学生たち対してに行った「写真だけを見て政治家の評価」をする実験のことが紹介されている
学生たちの評価と実際の選挙の結果を比べると、上院議員、下院議員、州知事の選挙で当選した人の70%が
顔写真で「能力が高い」と評価されていたという
この傾向は一部の地区の傾向ではなく、オーストラリア、ドイツ、メキシコでの選挙でも確認された、とある

要は人間第一印象が肝心、、といったわかりやすい解釈ではなくて、
もっと深い示唆に富んだ考察が行われている
この様に間違いなさそうなファストの判断は、どのような時に間違えそうか、その理由と避けるためには、、

まだ途中なので(読みきれないかもしれないと思って【上】しか購入していなかった)
この先どんな展開になるかわからないが、本当は少し怖くなった
それは、人のこうした傾向を知り尽くしている誰かがそれを悪用したらどうなるのだろうかという点
この怖さは「韓非子」での冷徹な人間分析にも通じる
韓非子は「法の支配」というものの、経営者は読んで良いかもしれないが
雇用人には読んでほしくない内容となっている

最後まで読めば、なるほどこの本が経済学の本で、
今感じているものとは違い万人に役立つ内容と理解できるかもしれない

でも、人の判断とはなかなか自分の思うようにはならないものだと改めて実感 
【下】も注文しなければ、、、 

 

コメント
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