パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

聖人、政治家、吉本の芸人

2017年09月28日 17時20分40秒 | 徒然なるままに

グスタフ・マーラーの歌曲「少年の不思議な角笛」の中に
「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」というものがある
どんな曲(メロディ・歌詞)だったか忘れてしまっているが、奇妙なタイトルなので
曲名だけは覚えている

似たような事を連想させる話に、「小鳥に説教する聖フランチェスコ」がある
これは有名な話らしくてググると、
フランチェスコは、動物たちを兄弟と呼び、話しかけて心がよく通じ合ったといわれ、伝説としては、オオカミを回心させた話、小鳥に説教した話は有名で、14世紀に完成した伝記『聖フランチェスコの小さい花』の中にも、説教を聞く者がいないときは小鳥を相手に説教したという逸話がある、と紹介されている

どちらも常識的には話しかけても反応しない生き物に話しかけている
普通の人は端っから会話が成立するとは思わないから、やってみようなどという気は起きない
ところが「聖」 などの言葉がつかない人でも、反応しない生き物に話しかけられる人達がいる
それは「政治家」と言われる人たち(国会議員だけでなく市議会議員でも)
この人達はカエルに向かって演説ができる
この時期、政治家さんたちは街頭演説に近いことをする(法に触れないように)
聞く人がものすごく少なくて、白けてしまいそうでも、田舎のあぜ道でカエルしか聴いていない状態でも
何事もないかのように話すことができる
これは現場を見ると、本当にすごいと圧倒される(何故できるんだ、、、)
そしてそれは訓練の賜物とは言え、才能としか思えないような気さえする 

そう言えば、反応のない中でおしゃべりをしなければならない人たちがまだ他にいた
それは吉本の若い芸人さん
昔、花月劇場に早くから出かけた時(たしか京都花月)観客は自分を含めて数名だった
(その中の1人は何か弁当みたいなものを食べていた)
時間が来れば予定通りプログラムは進んでいく
観客もいない中で登場した若い芸人さん、素人目にも話しにくそうなことは想像できた
なにしろ観客が少ないから反応が感じられない
かわいそうに、、大変だな、、、でもこうして鍛えられていくんだな、、、
芸とかパフォーマンスには関係なく、今まで記憶に残っていることはこんな事

世の中には、そうせざるを得ないとしても、この様にすごいことをやりきれてしまう人達がいるのだ
先程、才能と決めつけてしまったが、普通の人でも訓練でできるようになるんだろうか
自分はそんな訓練なんてする気なんてサラサラないし、そんな状況にも出会いたくないけど 

 

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女性の演奏するヴィターリのシャコンヌ

2017年09月28日 09時45分40秒 | 音楽

シャコンヌといえばまず第一番に頭にうかぶのがバッハの
無伴奏ヴァイオリン パルティータ2番 ニ短調の終曲のそれ
バッハの作品が仮にこれしか残されていなかったとしても(幸いそんなことはないが)
バッハの天才性を物語るものだとされている
一台のヴァイオリンから紡ぎ出される圧倒的な幻想感、そのなかには
極めて専門的な作曲技術が駆使されているが、それが頭でっかちにならず
感情の赴くままのような気さえする
この曲は実演でもいつも圧倒される

ところで、今日のテーマはもう一つのシャコンヌ
小泉純一郎氏が本に書いたこともある「ヴィターリのシャコンヌ」
この曲も、大好きだ
濃厚な感情、熱気、そうしたものが心のなかで眠っていたものを呼び起こす 

ところで、Youtubeで「ヴィターリ シャコンヌ」と検索すると女性の演奏家の動画が多い
自分の好きな(きっかけとなった)オイストラフ、有名なハイフェッツなどの男性陣もあるが
目につくのはやはり女性のほう
プロでなくても素人の方が発表会で演奏しているのもYoutubeにはあるが、ここでも女性の方が多い

そこで、ふとNHKの調査では人気のない作曲家ナンバーワンのブルックナーの事を思い出した
ブルックナーは何故か本質的なところは間違いなく男しか理解し得ないと根拠のない自信を持ってしまうのだが
このヴィターリのシャコンヌは女性の方がその本質を何の抵抗感もなく掴んでしまうのではないか
と勝手な想像をしてしまう
濃厚な感情  それは演奏に没入することによって醸し出されるが、その感情移入がこの曲に関しては
女性の方が難なく出来ているのではないか
(もっとも感情移入しすぎるのと良い演奏とは違うかもしれないが)
ピアニストのアルゲリッチの直感に満ちた把握や演奏が、どこか「中島みゆき」みたいな
女性特有の迫力を感じさせると同じように、女性の演奏するヴィターリのシャコンヌは
みんなどこか迫力がある

もっとも、全然根拠のある話ではなく、聴いててそう感じたというだけのこと
秋になると聴きたくなるのはブラームスのクラリネット5重奏曲だが
このヴィターリのシャコンヌも聴きたくなる
(眠っていた感情を開放させてあげたいように)

Youtubeにあがっていたヴィターリのシャコンヌ、ちょいとピックアップするとこんなのがありました
 

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