パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「韓非子」「プロパガンダ」支配されないようにする方法

2021年11月08日 09時42分42秒 | あれこれ考えること

中国の諸子百家のうちの法家「韓非子」は、
生活実感に基づいたリアリティのある説話が多く
それらは支配者にとってはとても有効な知恵となるが
支配される方からすれば、そんな裏の事情があるのかと
少しばかり人間不信になってしまいそうな気がするものもある

例えば部下に褒賞を与える場合、受け取る側は直接自分に
物を与えてくれる人に恩義を感じ、与えるべく判断をした人は
疎かになってしまうので、そのところは気をつけないと
誰の命令を聞くか曖昧になってしまうとしている

少し拡大解釈をすると、国会議員は国民の税金からお金を受け取って
仕事に取り組んでいるので、本来ならば国民の方を向いて何かを考えるべきだが、
現実社会はポジションを与えてくれる立場の人に無条件に従っているように見える
(つまり人事権を持つ人に、つい従ってしまうそうになるということ)

人のこのような癖とか指向性を理解しているものは、それを都合よく利用する
だが、そうした事情を人々が知ってしまうと支配者は少しやり難くなる
そこで、自分だけが知っていて他人は知らないのが一番だと思うようになる
韓非子はあまりにも人間の本質(今で言えば社会心理学)を知りすぎているので
他人にそれを広められては困ると考えた支配者は彼を抹殺したらしい

実際のところ、昔、韓非子を拾い読みした時は、経営者はこの本を労働者には
読んで欲しくないだろうな、、と思ったものだ

同様な印象を持ったのが先日取り上げた本「プロパガンダ」だ
事実もどき、広告、噂、感情に訴えるテクニック、発信者の影響、
受け手の状況によって話の内容を変えるテクニック等によって人は知らず知らず説得されている
この事実を理解している支配者(その様な立場の人)はこれを十分利用する
そうならない為には、まずはその実態を知ることで安易に話には乗らなくなる

ところがこの本の最後に書かれているように社会は
今更、広告や報道の量や表現についてのコントロールはできない現実がある
となると、あまり問題意識を持たない大衆は、自らを守るためにはどうしたらいいか
が問われることになるが、残念ながらその方法はよく分からない

結局は個々が自ら安易にうまそうな話に載らないこと
その話の反対の立場からの理解の仕方はないか、、
それで誰が得しているか、、、
等を考える癖をつけることだと思ったりする

すこしばかり面倒だが、人は自分で知恵をつけないとあかんな!
と思うこの頃






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする