不意に(いつものことだが)テレビ番組に時代劇がなくなって
世の中がどう変わったかを考えてみた
昔は水戸黄門、遠山の金さん、暴れん坊将軍、銭形平次などの
時代劇が当たり前のようにあった
これらのドラマは簡単に言えば勧善懲悪の物語だ
様式美とは言えない決まり文句で
見てる人にカタルシスを与える結末がいつもあった
見てる方もわかっていながら安心してそれを見ていた
だが今は時代劇はあまりない
その代わりタレントさんがひな壇に並んで、クイズとか
ひらめきを披露している番組が多い
それが日常になると人びとの心にどのような影響を与えるのか?
を想像してみた
勧善懲悪が当たり前の世界は、悪いことをすればお天道様が見ていて
いつかバツを食らうという認識を知らず識らず身につけるのではないか
時代劇には弱者に感情移入する場面もある
そしてそういう人たちがいつかは救われるように願う
こうした人として自然な感情の流れが、予定調和のような勧善懲悪で
スッキリとすることができる
最近のどこか余裕のない社会は、こうしたみんながごく自然に願う
普通に正しいことの結末を見ていないからではないか、、と思ってしまう
昔の人はもうう少し余裕があった
落語の「文七元結」でも「井戸の茶碗」でも、登場人物は善人で
その行いは馬鹿だなあと思いつつ、そうした人が存在することが
世の中に安心感を与えていた気がする
(見聞きする方も、それを受け入れて)
実際のところ、時代劇が人の道徳心にどのくらい影響があるかわからないが
それでも悪いことはアカンとシンプルに言い切る世界は必要だと思う
(刑事ドラマのような問題提起型ではなくて、今こそ勧善懲悪が必要と思う)
外国人が日本に来て一番奇妙に思えることは
日本人がなんの違和感も感じない時代劇だと思う
大河ドラマで楽しむだけでなく、時代劇のこうした勧善懲悪の世界も
見直すと良いような気も、、、
(だが、若い人は少しも面白いと思わない?)