パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

失恋の歌

2022年06月23日 10時03分13秒 | 音楽

世の中には失恋の歌と、恋が成就した歌とどちらが多いか?
おそらく前者の方だと思われる
少なくとも印象に残っているのはそちらだ

最近の歌には疎いので、この傾向が今もあるのかどうかはわからないが
不意に(いつものことだが)歌詞に結婚式が出てくる歌を思いだした
それも全く違うジャンルの曲だ

1つ目はグスタフ・マーラーの「さすらう若人の歌」の一曲目

1 僕の愛しい人が嫁ぐとき
僕の愛しい人が嫁ぐとき、
喜びいっぱいの結婚式を挙げるとき、
それは僕にとっては悲劇の日だ!
僕は自分の小部屋に行って、
暗い小部屋に!
泣くんだ!泣くんだ!僕の愛しい人を想って、
僕の愛する人を想って!

小さな青い花よ!小さな青い花よ!
しぼまないでくれ、しぼまないでくれ!
かわいい小鳥よ!かわいい小鳥よ!
お前は緑の荒野で啼いているんだね!
ああ!なんてこの世は美しいんだろう!
ツィキューット!ツィキューット!(ツィキューット!)

啼かないでくれ!咲かないでくれ!
春はもう過ぎ去ったのだ!
歌うのはもうおしまいだ!
夜、眠りにつくとき、
僕は我が苦しみを思う!
我が苦しみを!

最近はめっきり聴くことの少なくなったマーラーの曲
だがこれは、青春の初々しさとか痛々しさがストレートに伝わって
それが今も感じられるかと自分の年齢変化を確認しながら聴いている

この曲はマーラー自身の作詞で、この曲のやりきれない思いが感じられるのが
マーラー指揮者のイメージがないフルトヴェングラーとフィッシャー・ディスカウ
の組合わせだ
(ワルターやバーンスタイン指揮よりも好きだ)

歌詞の中に泣くという言葉が出てくるが、
簡単に泣くもんじゃない!というよりは、わかるな!という感じ

2つ目の曲は「サルビアの花」で
この中にも元恋人の結婚式のシーンが出てくる
そしてここでも泣いている
(歌は「もとまろ」のが一番好き)

この2つとも架空の話だが、架空の話が説得力をもって心に響く
人生の一時期があるということだろう
結局は、いつでもどこでも同じような人がいるのが人の世の中なんだろう

それぞれの歌の動画はこちら

Mahler: Lieder eines fahrenden Gesellen, Fischer-Dieskau & Furtwängler (1952) さすらう若者の歌

もとまろ サルビアの花

 
コメント
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